ファッション

スターモデル美佳が輝き続ける理由 デビューから今後の夢までを語る

美佳/モデル プロフィール

(みか):2001年8月30日生まれ、フランス・パリ出身で身長178cm。フランス人の父と日本人の母の間に生まれ、フランスや日本、ロシア、インドの4カ国で育ち、仏英日の3カ国語を話す。日本ではモデル事務所のイマージュに所属。ニューヨークはザ・ソサエティ マネジメント、パリ、ミラノ、バルセロナではエリートと契約

美佳は、日本とフランスを代表するスターモデルだ。2019年9月に「プラダ(PRADA)」2020年春夏コレクションでランウエイデビューを果たすと、「サンローラン(SAINT LAURENT)」や「エルメス(HERMES)」のキャンペーンビジュアルをはじめ、米「ヴォーグ」などのモード誌の表紙にも登場。22年春夏シーズンのショー出演数は30本で、ウィメンズモデルで世界1位になるなど、約4年で大躍進を遂げている。

22歳を迎える美佳は、向上心が高く、好奇心旺盛だ。今年6月にパリの大学を卒業し、いよいよモデルの仕事に専念できる状況になったものの、DJや演技にも興味があり、今後は活躍の場を広げていきたいのだという。天真爛漫な一面と、上品で丁寧な振る舞いが魅力の彼女に、これまでのキャリアや今後の夢について語ってもらった。

——日本に戻ってきたのはいつぶりですか?

美佳:コロナ禍でなかなか日本に帰れなかったのですが、昨年12月に約3年ぶりにプライベートで戻って来られました。その後、今年3月に「シャネル(CHANEL)」の撮影が東京であり、また「シャネル」の2022-23年メティエダール コレクションのショーで6月に帰ってくることができてうれしかったです。

——ショーや撮影でいろいろな国を訪れると思いますが、プライベートの時間はありますか?

美佳:仕事で訪れた国では、少しでも自由に散策できる時間を見つけるようにしています。マネジャーに相談して、1日長く滞在できるようにお願いすることもあります。現地の人と話したり、市場でローカルフードに挑戦したりするのが大好きなんです。「シャネル」のショーで訪れたダカールは、私にとってアフリカ初上陸の国でした。カレーや魚、フルーツなど食べ物もおいしくて、街の人がとても優しかったのがいい思い出です。

4年間で最も忘れられない
「サンローラン」でのパリデビュー

——この4年間でたくさんのファッションショーに出演してきた中で印象深かったブランドは?

美佳:初めてのパリコレで歩いた「サンローラン」です。洋服も音楽もかっこよく、当時18歳だった私にとって何もかもが刺激的でした。雨上がりのエッフェル塔の下で行われた素晴らしいショーだったのですが、慣れないヒールで滑らないようにと内心ヒヤヒヤでした。終了後には緊張が解けて、震えて泣いてしまい、モデルとして成長させてもらえたショーだったと思います。

今年1月に歩いた「アライア(ALAIA)」23年夏秋コレクションも印象深かったです。会場はクリエイティブ・ディレクターのピーター・ミュリエ(Pieter Mulier)さんの自宅で、クローゼットやシャワールーム、キッチン、ベッドルームを通り抜けるショーは楽しくて貴重な体験でした。

——毎シーズン出演しているブランドはありますか?

美佳:決まったブランドはありませんが、「シャネル」「サカイ(SACAI)」「コペルニ(COPERNI)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」などのショーはよく歩いています。ブランドと契約をしているわけではないので必ず呼んでもらえるとは限らないのですが、どんなブランドを歩けるのかは毎シーズン楽しみにしています。

——ショーを歩いてみたいブランドは?

美佳:個人的には「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」「ブルマリン(BLUMARINE)」のランウエイを歩いてみたいですね。また「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のショーにも出てみたい。以前「フェンディ(FENDI)」とコラボレーションしたときに起用してもらいました。

——思い出に残っている撮影は?

美佳:フォトグラファーデュオのルイージ&イアンゴ(Luigi & Iango)さんのニューヨークの自宅で行った、香港版「ヴォーグ」の撮影です。アパートに1日中滞在し、朝と昼ご飯を作っていただきました。プライベートな空間でインティメートな雰囲気もあり、リラックスしながらいい撮影ができましたね。

美容はインナーケアが大事
腸活や枕カバーも取り入れる

——モデルをやっていて、達成感を感じる瞬間は?

美佳:仕事から家に帰ってきてシャワーを浴び、ショーの画像や映像を見返して、「頑張ったな」と思いながら感謝するときです。

——逆に大変だと感じることは?

美佳:移動と時差ですかね。体内時計が狂ってしまうのは辛いんです。1ヵ月で7都市を移動することもあるので、友達やパートナーが恋しくなり、ビデオ通話をしたり、手紙を書いたりしますね。

——美容で気をつけていることはありますか?

美佳:内側からのケアが大事だと思っています。水を飲んで、漢方も取り入れています。あとはコーヒーを飲みすぎず、アルコールは控えること。腸活もしていて、コンブチャとサプリで善玉菌を増やすようにしていますね。スキンケアは決まったプロダクトを3つ程度に絞っていて、つけすぎず肌を休ませることを大切にしています。高いスキンケア用品を買っても睡眠不足だと肌の質が落ちてしまうので、1日8時間は寝るように心掛けているんです。シルクのピローケースがおすすめで、ヘアケアのために買ったのですが肌荒れにも効果が感じられました。

——個人的に好きなファッションは?

美佳:普段はビンテージショップで買い物をしています。この仕事をしているとファッションアイテムや素材について学ぶことも多いので、とても影響を受けています。例えば「ルイ・ヴィトン」の撮影でスカーフの巻き方を教えてもらったり、アトリエで働く方に「この素材はなんですか?」と聞いて詳しく説明してもらったりと、よく質問をするようにしています。

——最近、大学を卒業されましたね。おめでとうございます。コロナ禍で仕事と両立しながらの学業はいかがでしたか?

美佳:パリの大学で3年間、日本語と日本の歴史、国際経済を学びました。私はフランス人学校に通っていたので、日本の歴史について詳しくなかったんです。1年目は講義をオンラインで受けられたのですが、2年目からは実際に通わなければならなくなり、大学に相談して期末試験だけで済むようにしてもらいました。その分、移動中は教科書を読んで、仕事現場でも勉強していましたね。日本語の作文が苦手なので、丁寧語や敬語、歴史は今も学んでいます。

モデルを志す人にアドバイス
“ルックスだけでなく内面も磨いて”

——モデル業に専念できる状況になりましたが、今後のキャリアの目標は?

美佳:今後もプロフェッショナルモデルとしてキャリアを重ねて、自分を確立させたいです。「美佳がいい」と指名されるような、ユニークな存在になりたい。また演劇のスタイルで発表した「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」22年“アーティザナル”コレクションのショーに出演してから、演技にも興味が湧きました。それと今は家でDJの練習もしていて、いつかイベントで回してみたいです。

——モデルを目指す人にアドバイスはありますか?

美佳:グローバルに活動することを目指すなら、語学は勉強した方がいいですね。指示が理解できるので、仕事はしやすいはず。そして内面も磨き続けて、礼儀正しく、人に優しく接するのを忘れないこと。モデルはルックスだけでなく、性格の美しさも大切です。

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