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人体実験をしない日焼け止めの効果測定法は? ロレアルが他社も招いてワークショップ

世界最大の化粧品会社であるロレアルグループの研究開発部門であるロレアル リサーチ&イノベーションはこのほど、人体を使わないSPF(紫外線防御効果指数)試験法測定法「in vitro1 SPF2試験測定法」の2025年ISO(国際標準化機構)規格発行を目指し、神奈川・川崎にある日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター(以下、ロレアルR&I)でワークショップを開催した。ワークショップは日本の化粧品関連企業の技術者が測定方法の理解を深めるための支援を目的としたもので、ロレアルグループ以外の企業も対象に実施した。人体実験を伴わない再現性・信頼性が高い持続可能な測定法は、今後の日焼け止め製品の開発において品質と安全性を向上させる重要なものとなる。

現在の日焼け止めなど化粧品の紫外線防御効果(SPF2値やPA3値)は、被験者の背中の皮膚に決められた量(2mg/cm2)の製品を塗布し、強度を段階的に増加させたソーラーシミュレーター光を当て、皮膚に生じる紅斑や黒化などの反応が製品を塗布していない部分と比較してどの程度防げているかを観察することで測定する「in vivo法」が行われている。しかしこの測定法は、生物学的反応の個人差や紅斑の目視観察などにおいて評価者の影響を受けることがある。

一方、今回のワークショップで行った測定法は、ロボットと精密測定機器を使用することで実用的かつ簡便、再現性があり、信頼性が高くなるように設計。結果のばらつきが少なく、「in vivo」のSPF測定と相関する有望な方法を考えられている。また、ヒトを被験対象としない試験は、安全性と倫理の面で大きな利点となる。

ワークショップでは、ロレアルR&Iの研究者がこれまでに決定されたプロトコルを説明。それに従って、サンプルの採取とプレートへのスポット、ロボットによる塗布、紫外線透過率の測定、ソーラーシミュレーターによる照射、SPF の計算など一連の手順を実演した。参加者は、仏・ロレアル スキンケアセンター シュヴィイーの光防御専門センターの研究者とのオンラインでの質疑応答をはじめ活発な議論があり、「実際に手技を見ることができ、具体的にin vitro SPF測定法が理解できた」「質疑応答セッションで不確かだったところが明らかになった」などの声があった。

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