毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月11日号からの抜粋です)
美濃島:今回の東コレも力強いコレクションで、いいシーズンでした。エモーショナルなコレクションが多かったですね。
大杉:ファッションショーは、デザイナーが直球で思いを伝えられる場なのだと改めて感じました。「ヨウヘイ オオノ」のショーでは、その覚悟のあるクリエイションに、見にきていた他のデザイナーたちが心を動かされているようでしたし、「ミューラル」や「シンヤコヅカ」もパーソナルな記憶に結びついた美しいコレクションを見せてくれました。
村上:楽天支援枠の「ア ベイシング エイプⓇ」やTSIの「セブン バイ セブン」は、改めてブランドの魅力や実像をうまく発信していた印象です。前者の30年間変わらずフロントランナーであり続けるスタイル、後者の実は柔らかいムードやジェンダーレスな雰囲気などの今っぽさは、僕にとっても発見でした。
美濃島:僕は「マイン」からディレクターの名前を掲げるブランドに転換した「カミヤ」の、自分に向き合う姿勢に惹かれました。トラックがモニュメントをブチ破ってショーが始まるというのもインパクトがあり、若々しいショーでした。「ミーンズワイル」も道具として機能のある服をファッションとしてカッコよく見せていて、ショーの可能性を感じました。今回は多くのブランドからメディアへの協力的な姿勢を感じました。より多くの人に届けたいという意欲を感じ、気合が入りました。
大杉:「フェティコ」や「ハルノブムラタ」などのフロントローに著名な俳優がブランドの服を着て着席していたのを見て、これまで東コレにはなかった華やかさを感じました。モード誌の編集者やインフルエンサーによるSNSやユーチューブへの投稿も増えましたね。
村上:モード誌の編集に携わっていた人たちには、コロナ禍に台頭した「大人エレガンス」が新鮮だったようです。今の東京らしさが、これからは加速度的に広がるのではないでしょうか?