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伊勢丹に「富裕層の日常着」狙う新売り場 中間層を失った国内アパレルの次なる一手

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伊勢丹新宿本店は9月20日、3階の新売り場「コンテンポラリー」をグランドオープンした。従来は国内アパレルメーカーによる“昔ながらの百貨店キャリア服”やサイズ対応のブランドなどで構成していた区画を、3、4階のメインであるラグジュアリーやデザイナーズのブランドと感度がつながるようにアップデート。「リアルクローズの新ゾーン」(藤本康介 新宿婦人・子供商品部リアルクローズ キャリア バイヤー)として、「富裕層の間で増えている上質な日常着を求める声」に対応する。外商顧客に支えられ、初日の滑り出しは好調だったという。

伊勢丹新宿本店は2023年3月期、年間売上高3276億円を記録し、31年ぶりに過去最高を更新した。バブル期を超える勢いの原動力になっているのは、コロナ禍に関係を深めた40〜50代中心の若年富裕層だ。3、4階に出店するラグジュアリーブランドやジュエリーブランドで高額品が富裕層に飛ぶように売れ、客数がコロナ禍前に戻りきらない中でも売り上げを大きく押し上げた。

新売り場が狙うのは、40〜50代の医師や自営業者といったまさに若年富裕層の女性、「伊勢丹新宿本店にとってコアのお客さま」だ。そういった客は、例えば4階の「シャネル」「ディオール」などでももちろん服を買っているが、「『どこのブランドか一目で分かってしまうような“これみよがし”な商品は避けたい』。でも、『人とは違うものがほしい』『質も担保したい』と感じている」と藤本バイヤー。カードやアプリを通した顧客の購買行動分析や富裕層顧客のインタビューを通して、そうしたニーズが浮かび上がったという。「ザ・ロウ」や「ロロ・ピアーナ」「アニオナ」など、“これみよがし”でない上質ブランドは“クワイエットラグジュアリー”などと呼ばれ、富裕層の日常着としてもともと支持されている。ただ、「それらのブランドだけでは選択肢が少ない」ため、国内メーカーと組んだ新売り場の開発につながった。

ニットで5万〜6万円が中心

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