ビジネス

「安価で精巧な模倣品探しの流行」に警鐘 真贋鑑定ビジネスのエントルピーが模倣品リポートを発表

AIを用いた真贋鑑定サービスを提供するエントルピー(ENTRUPY)は、模倣品の現状に関するリポートを発表した。同リポートでは、模倣品問題の現状や増加傾向、世界経済への影響について詳述している。

消費財やソフトウェア、エンターテインメントのデジタル海賊版を含む全カテゴリーにおいて、約2兆8000億ドル(約414兆円)の模倣品が毎年没収されているという。また、エントルピーが2022年に実施した真贋鑑定において、正規品と判断できなかったアイテムが多かったブランドはトップが「ゴヤール(GOYARD)」で、次いで「サンローラン(SAINT LAURENT)」「プラダ(PRADA)」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」だった。また、22年に正規品と判断できないアイテムが発見された割合が高かったのは質屋(13%)とオフラインのリセール業者(10.1%)で、オンラインのリセール業者(7.7%)、C2C(個人間で取引する)マーケットプレイス(4.5%)、卸売業者(1.6%)と続く。

エントルピーによると、「高級品のリセールの継続的な拡大に伴い、世界中で取引プラットフォームや取引モデルが生まれている。その結果、メキシコのような以前は模倣品が出回ることの少なかった市場でも模倣品が確認されている」という。

エントルピーのリポートによると、高級品の価格の高騰と、ECやSNSの台頭などによってそうしたアイテムを目にする機会が増えていることから、模倣品に惹かれる消費者グループが模倣品のトレンドを作っているという。Z世代の消費者は、高いインフレと周囲に誇示するための消費に対する需要が減少した結果、特にスーパーコピーと呼ばれる精巧な模倣品に注目しており、「いかに質の高いコピー商品を安価で見つけられるかを誇示することが流行になっている」と警鐘を鳴らす。

米アパレル&フットウエア協会(American Apparel & Footwear Association)が実施したテストによると、テストしたアパレルの模倣品のうち36.2%が「危険なレベルの有害物質」を含んでおり、ある商品からは暴露限界値の600倍を超えるカドミウムが検出されたという。また、靴の模倣品は低品質の素材を使用して作られているため、ケガの危険性を高めている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。