トランジットジェネラルオフィス(東京、中村貞裕社長)は、10月6日に開業した虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの地下2階に、クラフトビール醸造所併設のレストラン「ダムブルワリー レストラン(DAM BREWERY RESTAURANT)」をオープンした。
同レストランが位置するのは、虎ノ門ヒルズ駅の駅前広場 ステーションアトリウムに直結する飲食中心のエリア「T-マーケット(T-MARKET)」の一区画。ベーカリー「ビーバー ブレッド ブラザーズ(BEAVER BREAD BROTHERS)」やハンバーガーショップ「ビルダーズ(BUILDERS)」など27業態が並ぶ中で、入り口に備えた巨大なビールの醸造タンクがひときわ存在感を放つ。
店名は江戸時代、虎ノ門に造られた都市ダムに由来する。当時ダムの水が街を繁栄させたように、自家醸造のクラフトビールを通して、人と人、あるいは人とシーンをつなぐことを目指す。
トータルディレクションは、クラフトビールの製造から販売までを一貫してプロデュースするアウグスビール(東京、坂本健二社長)が担当した。「どんな食事にも最高に合うビール」をコンセプトにビールを開発。シグネチャービールは「毎日飲んでもらいたい」という思いから 「毎日の新聞」を意味する“daily paper -Sasion-”(レギュラー、780円/パイント、1200円)と名付けた。セゾンスタイルを採用し、季節ごとにフレーバーを変えて醸造する。軽やかでドライな口当たりでフルーティーな香りが特徴。ポップと麦芽のバランスによってスパイシーな風味も味わえる。
フードメニューは、NYミシュラン3つ星店「ジャン・ジョルジュ(JEAN-GEORGES)」で日本人初のスー・シェフとなり、現在は完全紹介制レストラン「ノー・コード(NO CODE)」でオーナーシェフを務める米澤文雄が監修した。シグネチャーメニューの“フィッシュアンドチップス”(1900円〜)は、外はカリッと、中はふんわりで軽やかな食感。オプションとして大海老、イカ、ソフトシェルクラブ、サーモンをそろえる。さらに、BBQソースや、アンチョビとディルを効かせたタルタルソースなど4種のディップを用意。オリジナルスパイスを使用したポテトチップスとともにサーブする。ビールのほかに、日本での取り扱いが同レストランのみという、缶のナチュールワインなどを販売する。豊富なドリンクメニューや短時間で提供できる一品料理を用意し、さまざまな利用シーンに対応する。
空間は、インテリアデザイナーの片山正通が代表を務める「ワンダーウォール(Wonderwall®︎)」が手掛けた。醸造所の中で出来立てのビールを楽しむ「シズル感」をテーマにデザイン。空間奥のステージコーナーには、友沢こたおが同レストランのために描き下ろした作品を展示した。
森ビルは2009年から虎ノ門ヒルズを核としたエリアの再開発に着手し、森タワー(14年〜)、ビジネスタワー(20年〜)、レジデンシャルタワー(22年〜)をすでに建設・運営。ステーションタワーはこれらに続く再開発事業の集大成となる。虎ノ門ヒルズはステーションタワーの「T-マーケット」やビジネスタワーの「虎ノ門横丁」など、“食”に力を入れた設計が特徴。オフィスが集積する虎ノ門に、ビジネスマン以外の来街客を呼び込むことで新しい魅力を創出する。