PROFILE: 秋間桃子さん/「ノーズショップ」ニュウマン新宿店 店長
前職は靴の小売店で販売スタッフとして勤めていた。「数を売るスタイルの売り場だったので、もっとお客さまとじっくり話して喜んでもらった上で購入してほしい思いがあった。加えて子どものころから香りが好きで、前職時代も香りに癒やされていた。『ノーズショップ(NOSE SHOP)』は万人に愛される香りではなく、個人に寄り添う香りを扱っていることにも引かれた」ことから転職を決めた。(この記事は「WWDJAPAN」2023年11月6日号から抜粋・加筆しています)
ニッチフレグランスの知名度がない中で奮闘
入社当時は国内のフレグランス市場が成長軌道に乗る前で、国内では無名のニッチフレグランスブランドのみを扱う「ノーズショップ」で、目に見えない“香り”を売るのにはさまざまな苦労があった。「『シャネル(CHANEL)』や『ディオール(DIOR)』の香水を取り扱っていますか?と聞かれたこともしばしば。お客さまのフレグランスに関する情報量も今ほど多くなく、シプレやフゼア、ウッディーなど香調を表す専門用語は伝わらなかった」と振り返る。
秋間さんの同僚は、「複雑な香りの世界を言語化する語彙が豊か。重めの香りに爽やかな香りをレイヤードする時に『カルボナーラにレモンをかけると食べやすくなる』と説明した時は、一気に解像度が上がり、香りの表現方法に感心した」と話す。「ノーズショップ」はフレグランスのハードルを下げることをテーマの一つにしており、「知識が増えるにつれて、知識の中で話そうとしてしまう。そうではなく、香りを身近に感じてもらう」ために、日頃からさまざまな情報にアンテナを張り、趣味の映画鑑賞や読書からも吸収し接客に生かす。
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