PROFILE: 高橋幸子/ポーラ ビューティーディレクター
ポーラの訪問販売形態でビューティーディレクター(以下、BD)として47年間勤務する高橋幸子さんは、2022年に累計売り上げ10億円を達成した。約2万5000人いるBDの中で累計売り上げは全国2位でもある。仕事を始めた当初に顧客の「あなたも次は来ないのよね」(1度購入したら関係性は続かないという意味)の一言で販売スタイルを変え、76歳の今でも約70人(ピーク時は約200人)の顧客一人一人と向き合い、BDが天職と笑顔を見せる。(この記事は「WWDJAPAN」2023年11月6日号から抜粋・加筆しています)
高橋さんとポーラとの出合いは、21歳のとき。米の卸業の事務職をしながら調理師免許を取得するため料理教室に通っていたころだった。会社が入居するビルに働く女性がポーラを愛用していて、そこで真っ赤な口紅を買ったのが始まりだ。その後、料理教室の講師を務めるも、結婚を機に会社も退職。しばらく子育てに専念していたが、ポーラ販売店舗の所長からBDを勧められ、姉が子守を引き受けてくれたこともあり働くことを決めた。「当初はバスに乗り込み、その日の担当地域で降ろされ、一軒一軒に声を掛ける販売方法でした」という。そこで会った1人の顧客から、「以前も購入したけど、継続して訪問してくる人はいない。あなたも次は来ないのよね」と言われたことから、バスを使用した販売方法を止め、電車や自転車を使って移動し一人一人と向き合う接客方法に変更した。
コロナ期間中もガレージで商談
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