「カナダグース(CANADA GOOSE)」は、最高経営責任者(CEO)を含む経営陣が店舗で販売業務などを体験するプログラムを実施する。顧客や販売員と直接交流し、店舗での日常業務をより深く理解して経営に役立てることが狙いだという。
対象はカナダ、米国、欧州、アジア地域にある店舗で、期間は11月24日のブラックフライデーから1〜3週間の予定だ。参加するのは同社のCEOや社長をはじめ、最高財務責任者、最高マーケティング&エクスペリエンス責任者、最高人事責任者、最高デジタル責任者、事業戦略部門シニア・バイス・プレジデント、各地域の社長らの15人。接客や商品説明、会計、在庫管理や品出しなど多岐にわたる店舗業務を体験し、そこで得た気づきや学びを共有することで、顧客の買い物体験に関する施策“カナディアン・ウォームス(Canadian Warmth)”、マーチャンダイジング、店舗オペレーション、人材開発および表彰の4分野の改善を目指す。
キャリー・ベイカー(Carrie Baker)社長は、「『カナダグース』はそのブランドストーリーや買い物体験はもちろん、職場という意味でも非凡な存在だ。今回のプロジェクトはその好例であり、今後も店舗運営をさらに改善して成長していきたい」と語った。
同ブランドは、暖冬予報や北米および中国事業の不調などにより業績が減速。2023年7〜9月期(第2四半期)決算の売上高は前年同期比1.4%増(現地通貨ベースでは3%減)の2億8110万カナダドル(約300億円)とほぼ横ばいだったものの、販管費や物流などのコストがかさみ、営業利益は同89.3%減の230万カナダドル(約2億4600万円)、純利益は同18.0%減の410万カナダドル(約4億3800万円)と苦戦している。