「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、新たな最高経営者(CEO)にアマンディーヌ・オハヨン(Amandine Ohayon)を任命した。来月退社予定のガブリエル・マッジオ(Gabriele Maggio)CEOの後任となり、12月1日付で着任。ロンドンに拠点を置き、同社の取締役会に直接報告する。
フランスのESSECビジネススクールでラグジュアリー分野のMBAを取得したオハヨン新CEOは1998年、当時LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下にあった「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」のリテール&イベント・エグゼクティブとしてキャリアをスタートした。翌年、ロレアル(L’OREAL)に転職。18年以上在籍し、傘下ブランド「ランコム(LANCOME)」のプロダクトマネージャーやマーケティング・ディレクターなどを経て、ジェネラルマネージャーとして「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」や「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」などのブランドに携わってきた。2014年にはロレアル リュクス事業のイギリス&アイルランド担当マネジング・ディレクターに昇進。18年に退社し、スペイン・バルセロナを拠点にウエディングドレスブランドを手掛けるプロノビアス(PRONOVIAS)のCEOに就任した。
同社では、デザイナーのヴェラ・ウォン(Vera Wang)との10年間のライセンス契約に取り組んだほか、今年初めには投資ファンドのベインキャピタル(BAIN CAPITAL)への売却を指揮した。また、サステナビリティを最優先事項に掲げ、結婚式後も着られるように丈の変更やディテールのアレンジなどのお直しを無料で提供するウエディングドレスのコレクション「セカンドライフ(SECOND LIFE)」を発表。エコフレンドリーな素材でドレスを作る「ウィー・ドゥー・エコ(WE DO ECO)」プロジェクトや、セカンドハンドのウエディングドレスや古いシーズンの在庫、サンプルなどを販売するEC「ブライズ・ドゥー・グッド(BRIDES DO GOOD)」との提携にも取り組んだ。
オハヨン新CEOは、「『ステラ マッカートニー』は持続可能なラグジュアリーとエシカルファッションを象徴するブランド。ステラと共に、私たちの価値観に共鳴するコンシャスなアプローチで会社の成長を加速させながらイノベーションを推進し、業界を再定義し続けていく」とコメント。一方、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は「アマンディーヌのリーダーシップと事業や地域を超えた豊富な経験は、会社の輝かしい未来を築くための大きな強みになる。洗練されたファッションとエシカルな価値観に対する情熱を持った彼女は、ビジネス的な成功への持続可能な方法を大切にする私たちの素晴らしいパートナーになるだろう」と述べた。