「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下の「ヴーヴ・クリコ(VEUVE CLICQUOT)」とのパートナーシップの下、シャンパンの製造工程で発生するブドウの茎を原料とする“グレープレザー”を用いたアイテムを、2024年春夏コレクションで発表した。
今回の協業では、アイコニックなバッグ「フレイム(Frayme)」に「ステラ マッカートニー」と「ヴーヴ・クリコ」のロゴをあしらったタグ付きのバッグ3型と、ボトルホルダーを用意した。LVMHによると、同素材は1年半以内の開発期間で誕生。レザーとワイン製造の両分野の温室効果ガス削減に貢献するという。使用した茎は、創業者の息子の妻であり、事業を発展させたマダム・クリコが200年前に購入したシャンパーニュ地方のブドウ畑から調達したもので、完全なトレーサビリティーが確保できているという。また、「ヴーヴ・クリコ」が提供した廃棄コルクを、ウエッジソールの部分にリサイクルした2つの「エリス(ELYSE)」サンダルも発表した。
「デザインの可能性をさらに押し広げてくれる」とステラ
ジャン=マルク・ギャロ(Jean-Marc Gallot)=ヴーヴ・クリコ最高経営責任者(CEO)は、「再生農業における私たちの専門知識と、多くの人たちとの強い連携の結果だ。最高のシャンパンを作るだけでなく、私たちのブドウがファッションの明るい未来に貢献できることをうれしく思う」とコメントした。
デザイナーのステラ・マッカートニーは、LVMHのサステナビリティに関する特別アドバイザーを務める。今回の取り組みはステラから ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOに、「業界の垣根を超えたコラボレーションに挑戦したい」と掛け合ったことで実現したという。
ステラは、「この“グレープレザー”は、本物のレザーと区別がつかない品質だ。加えて、量産もできる。この100年間に5〜10種類の決まった素材を使い続けているファッション業界に挑戦し続けてきた私のデザインの可能性をさらに押し広げてくれるものだ」とコメントした。