資生堂は、1月9〜12日に開催された世界最大のテクノロジー見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2024」に初出展した。ブースには、美容法の習得と実践とをサポートするアプリ「ビューティー AR ナビゲーション」と、顔画像から将来の肌悩みを予測できるツールを展示し、会期4日間で700人を超える来場者を迎えた。
「ビューティー AR ナビゲーション」は、AR技術を用いて美容法の習得と実践をサポートするデジタルアプリケーションシステム。スマートフォンやタブレット端末に自身の顔を投影し、動画やナレーションで肌のマッサージ方法などを実践、習得することができるほか、自身が行う美容法に対して定量的な評価を得ることができる。同ブランドが培ってきた美容法、感性科学領域の知見に、AIを用いた微細な手の動きを検出する動作認識技術を活用している。
将来の肌悩みを測定するツールは、鼻の骨格から“未来の肌悩み”を予測する。同社は、鼻の骨格が肌状態や肌内部の特性に関連があることを発見。スマートフォンから顔の画像を分析することで、将来的に表れやすいしわやたるみなどの肌悩み、肌内部の状態を予測できる。肌悩みが現れる前の予防ケアに加え、適したマッサージ法や体の内側からのケアなど、よりパーソナライズされた新たなアプローチを目指す。
体験した来場者に「驚きや感動体験があったか」「自分自身や自分の美容法に対し新たな発見があったか」についてアンケートを実施。いずれも10点満点で約9割の人が8点以上の高評価を付けた。
同社は今後、これらの技術をビジネスへ早期に応用する。加えて、出展で得られたグローバルでのフィードバックを、体内、こころ、時間という3つの見えないものを可視化する研究に生かす。また、サイエンスとテクノロジーを掛け合わせたデジタル技術の開発と社会実装を加速し、消費者への体験価値を高め、同社の2030年のビジョン「Personal Beauty Wellness Company」を加速していく。