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「ルイ・ヴィトン」の親会社、23年度は9%増収 ラグジュアリーグッズ需要の“正常化”を受けて減速するも堅調

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2023年12月期決算は、売上高が前期比8.8%増の861億5300万ユーロ(約13兆8706億円)、営業利益は同7.4%増の225億6000万ユーロ(約3兆6321億円)、純利益は同7.7%増の151億7400万ユーロ(約2兆4430億円)だった。

部門別の売上高では、主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同9.1%増の421億6900万ユーロ(約6兆7892億円)だった。スターブランドの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「ディオール(DIOR)」をはじめ、「セリーヌ(CELINE)」「フェンディ(FENDI)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」「ロエベ(LOEWE)」「リモワ(RIMOWA)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「ベルルッティ(BERLUTI)」など、いずれのブランドも引き続き好調で売り上げに寄与した。一方で、同25.0%増と記録的な好業績だった22年度と比較すると成長率は落ち着きを見せており、ラグジュアリーグッズの需要が世界的に“正常化”していることを裏付ける結果となった。

免税店のDFSや化粧品のセレクトショップ、セフォラ(SEPHORA)などを運営するセレクティブ・リテール部門は、同20.4%増の178億8500万ユーロ(約2兆8794億円)と非常に好調だった。販売網を強化したセフォラは主に北米、欧州、中東で大きく成長。DFSは、香港やマカオを中心とした海外旅行客の増加が売り上げを後押しした。

ティファニー(TIFFANY & CO.)」「ブルガリ(BVLGARI)」「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」が引き続き堅調だったウオッチ&ジュエリー部門は同3.0%増の109億200万ユーロ(約1兆7552億円)、香水&コスメティクス部門は同7.1%増の82億7100万ユーロ(約1兆3316億円)だった。

ワイン&スピリッツ部門は、シャンパン事業が欧州や日本で好調だったものの、北米市場におけるマクロ経済の悪化を相殺するには至らず、同7.0%減の66億200万ユーロ(約1兆629億円)だった。

地域別の売上高を見ると、フランスが同12.5%増、フランスを除く欧州が同11.2%増、日本は同16.1%増、日本を除くアジア太平洋地域は同11.7%増といずれも2ケタ成長だった。一方、米国は同1.0%増と微増にとどまった。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は、「23年も世界は経済的・地政学的な課題に直面していたが、当社の傘下メゾンの比類のない魅力や購買意欲を喚起する能力のおかげで、素晴らしい業績を上げることができた。各事業の相互補完性や地理的な多様性に基づいた当社の成長戦略は、イノベーションを促し、質の高いデザインや一流のリテーリングを可能にしている。(世界情勢が)不透明な中、24年も引き続き慎重に、しかし自信を持って事業を進めていく」と語った。

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