カネボウ化粧品「デュウ(DEW)」は1月31日、俳優の田中みな実(37)をミューズに起用したことを発表した。2月6日以降、田中が飾る新ビジュアルとともに売り場を順次リニュアールし、2月9日からTVCMを全国で放映する。
「デュウ」はエイジングケアブランドとして2000年に誕生。カネボウ化粧品が1981年から研究するヒアルロン酸の技術を搭載した商品群で、ブランドを象徴する“とろみ”化粧液をはじめ、07年に高機能・高価格帯のエイジングケアシリーズ“スペリア”、19年にブライトニングシリーズを投入するなどラインアップを拡充してきた。ベーシックアイテムは2000〜4000円(編集部調べ)の中価格帯で、主力販路はドラッグストア。主な顧客層は30〜40代の女性。
17年には、マススキンケア市場の強化施策としてブランドを全面刷新。20年からは「あなたを『虜』にするスキンケア」のメッセージとともにブランドコンセプト“スキンケア ホリック(Skincare holic)”をブランドの中心に据え、キャビア状のカプセルが特徴の導入美容液や、はちみつから着想したクレンジングバーム、拭き取りなどマルチに使える美容液などユニークな設計の商品を展開してきた。24年は新たなコンセプト「美フォルムケア。ヒアルロン酸配合」を掲げ、同コンセプトの推進にあたり田中を起用した。
田中はこれまで、花王のオーラルケアブランド「ピュオーラ(PUREORA)」、ニベア花王の「ニベア(NIVEA)」、コーセーコスメポートのヘアケアブランド「ジュレーム(JE LAIME)」、P&Gのヘアケアブランド「わのみ(WANOMI)」などヘア・ボディー関連商品のTVCMに出演するほか、美容雑誌を通じて化粧品のタイアップ企画に登場することはあったが、化粧品のミューズ就任は今回が初となる。
「デュウ」は以前、俳優の松雪泰子や松下奈緒をイメージモデルに起用したプロモーションを行い、ブランドの世界観を発信してきたが、長らくその座が空いていた。直近まで海外のモデルを採用したポスターを店頭で掲示していたが、「ドラッグストアは“顔”がある方が視認性が高い」(化粧品事業部門 マステージビジネスグループ 中居千絵氏)と、改めて「デュウ」を打ち出すためにミューズの存在感が必要だったという。
「デュウ」の主戦場でもあるドラッグストア市場は低価格帯コスメや韓国コスメが台頭し、中価格帯コスメは「厳しい」という声も聞こえる。しかし田中といえば、紹介する化粧品が軒並みヒットを飛ばす“みな実売れ”現象が起きるヒットメーカーだ。「韓国コスメと戦いつつ、(田中の)訴求力にも期待したい」と、田中をフックにブランド認知度の拡大を図り、27年までに23年比1.4倍の売り上げを目指す。
原直司ブランドマネージャーは、「田中さんは女性たちの憧れであり、ブランドが目指す“美肌”の象徴だ。田中さんを通じて世の中の女性を美しく、幸せにしたい」と意欲を燃やす。