1月に開催された24-25年秋冬メンズ・コレクションでは、注目を集めるシューズや小物が多く登場した。「リック・オウエンス(RICK OWENS)」のシューズデザインの限界に挑戦したブーツや「コム デ ギャルソン・オム(COMME DES GARCONS HOMME)」によるダブルソールのレザーシューズ、「チャールズ ジェフリー ラバーボーイ(CHARLES JEFFREY LOVERBOY)」の“バナナブーツ"など。ここでは、今季メンズ・コレクションから、最もクレイジー(良い意味で)で話題となったメンズシューズを紹介する。
「チャールズ ジェフリー ラバーボーイ」
ブランド10周年を記念して、スコットランド出身のデザイナー、チャールズ・ジェフリー(Charles Jeffrey)が実験的でパンクなコレクションを発表した。19年秋冬にイギリスのシューズメーカー、「ローカー(ROKER)」とのコラボレーションで初登場したクローシューズが同ブランドのシグネチャーだが、今シーズンはチャンキーなウェリントンブーツを披露。最も目を引いたのは、鮮やかなイエローの一足で、履く人のふくらはぎに近づくにつれ、皮をむいたバナナのようなシルエットだ。
「コム デ ギャルソン・オム」
「コム デ ギャルソン・オム」は、「キッズ ラブ ゲイト(KIDS LOVE GAITE)」とのコラボレーションを継続し、新たな“ダブルシューズ”を提案した。昨シーズン、2つのトゥボックスを持つダービードレスシューズを発表したが、今シーズンは2つのソールを持つシューズを披露。強調された2つ目のソールが靴の側面から飛び出した。ウィングチップのディテールが特徴的なブローグシューズは、伝統的なブラックスタイルとスネークスキンがプリントされたレザーバージョンの2色展開でランウエイに登場した。
「ディースクエアード」
「ディースクエアード(DSQUARED2)」が今季に発表したのは、ボリューミーな毛並みのファーブーツ。毛足の長いファーがアッパー全面を覆っている。“無骨と洗練の融合”というコレクション全体のテーマに沿ったアイテムだ。
「フェンディ」
今季のショーでは、米ロサンゼルスと伊ローマを拠点とする建築スタジオ「マッドアーキテクツ(MAD Architects)」創設者、マ・ヤンソン(Ma Yansong)との新しいコラボレーションを発表した。人と自然との共存をフューチャリスティックに表現したという本コレクションには、タウン&カントリーなアイテムが登場。「フェンディ」とヤンソンのコラボシューズは射出成型した有機的なソール、ツートンカラーのバブルデザインとメタリックなアクセントをあしらったアッパーが特徴のスリッポンスニーカー。捻りを効かせたクラシックなコレクションに、人間工学に基づいたシルエットで都会的なエッセンスを加えた。
「フェン チェン ワン」
ロンドンを拠点とする中国出身のメンズウェア・デザイナー、フェンチェン・ワン(Feng Chen Wang)は取り外し可能な成型ソールをあしらったスニーカーを発表した。ワン=デザイナーによれば、「チャフ(Chahu)」と呼ばれるこの3D成型ソールは、不規則な角が3次元的にカーブした変形ティーポットの形から着想を得たものだという。
「ケンゾー」
Nigoは今シーズン、「ケンゾー(KENZO)」で多くのメンズシューズを発表したが、一際目立っていたのは新作の“ケンゾーバイカー”だ。ショーノートによれば、モトクロスに着想した近未来的なバイカーブーツとのこと。つま先にはシルバーメタルのネームプレート、ふくらはぎとアッパーにはシルバーの大きなリベット、ふくらはぎの前面には“KENZO PARIS”のロゴを大きくあしらった。
「MSGM」
「MSGM」のデザイナー、マッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)は、2024年秋冬コレクションのランウエイショーのため、ミラノ中心部に位置するミラノ中心部に位置するポルタ・ヴェネツィア駅構内をジャックした。最も目を引いたのはレザーのソールのフェイクファーミュール。暖炉のそばでくつろぐスリッパのように、ふわふわで“Cozy(快適な)”なスタイルを打ち出した。他にもローラーバックルと「MSGM」のロゴ入りメタルバックルを備え、カーフスキンにラグソールを組み合わせたメリージェーンも登場した。
「リック・オウエンス」
「リック・オウエンス」による風船のようなゴム製ストレッチブーツはSNSでも大きな反響を呼んだ。このブーツは英デザイナー、ストレイテュケイ(Straytukay)とのコラボレーションで、ブラック、フォレストグリーン、エッグシェル、バーガンディ、ブラウンのアニマルプリントと、豊富なカラーでランウエイに登場した。
「サカイ」
今季、「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢デザイナーはユニホームの可能性を探求し、ショーではボリューミーなファーブーツを披露した。白と茶色の毛足の長いファーをアッパーにあしらい(ランウェイには黒バージョンも登場)、阿部デザイナーのシグネチャーである誇張されたソールと組み合わされたプラットフォームブーツだった。