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「オンワードの高品質あってのリユース店」 保元社長、循環型店舗の10周年を振り返る

オンワードホールディングス(HD)が東京・吉祥寺で運営する循環型店舗「オンワード・リユースパーク」が10周年を機に改装オープンした。2014年に環境・社会貢献型店舗として吉祥寺駅のそばの一等地に開店。消費者から回収した自社製品を販売し、その収益を同社のサステナブル活動に充てたり、定期的にワークショップを開いたりしてきた。24年2月期には過去最高の12万人が来店し、5万点を販売した。保元道宣社長は「この10年でサステナブル経営の重要性が増し、お客さまの意識も高くなっている」と振り返る。

同店のきっかけは、09年に執行役員だった保元社長が音頭をとった「オンワード・グリーン・キャンペーン」。消費者から不要になった衣料品を回収し、固形燃料にリサイクルするほか、再生糸で作った毛布を日本赤十字社を通じて国内外の被災地に送ったりする取り組みだ。これまでの約140万人の消費者から約730万点の衣料品を回収した(23年8月末時点の累計)。

回収した衣料品の中には、リサイクルに回すにはもったいない状態のものも少なくない。販売先として企画されたのがオンワード・リユースパークだった。品質基準をクリアしたものを4〜5回の検品を経て再販売する。百貨店やファッションビルも多い吉祥寺での出店について「一次流通(プロパー店舗)への影響を懸念する意見もあったが、杞憂だった。むしろオンワードのファンを増やしてくれた」。回収した衣料品の中で再販売できるのは約17%。「オンワードのクオリティーがあればこそ自信を持って再販売できる。お客さまも10年にわたって支持してくれた」。

中核会社のオンワード樫山は年間約1000万点の衣料品を生産する。このうち数カ月後、数年後に回収できる衣料品は約10%だという。当面20%の回収を目指し、循環型ファッションビジネスの領域を広げる。

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