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サービス開始から10年 「メルカリ」で売れるカテゴリーやブランドは変わった?

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2014年のサービス開始から累計出品数は30億品以上(22年末時点)、月間利用者数は2354万人(23年末時点)の国内最大のフリマアプリが「メルカリ」だ。23年以降も流通取引額、出品数、共に年単位で増えているという。

「WWDJAPAN」では毎月、取引数と検索キーワードの前月比伸長率ランキングを掲載している。前月比であるため変化は分かりやすいが、そもそもベースとしてどのようなものが売れているのか。消費動向はどう変化しているのか。最近の傾向と取り組みについて聞いた。

WWD:今最も取引されているカテゴリーは?

山口夏歩メルカリプロダクトPR(以下、山口):2014年のサービス開始当初はレディースファッションのフリマアプリというイメージで、実際にユーザーも若い女性が多く、37%をレディースが占めていた。しかし、その後10年で、エンタメ・ホビーのカテゴリーがすごく伸びた。エンタメ・ホビーを強化したというよりは、2次流通全体の動きが反映されているのだと思う。本やゲーム、トレーディングカードなど、趣味性の高いもので、いわゆる“値崩れ”しにくいものが多いのが特徴で、アパレルなどに比べて、販売時に元値により近い価格で売れる傾向があり、盛り上がっている。

WWD:エンタメ・ホビーのなかで特に取引額が多いのは?

山口:”推し活”関連のアイテムがよくやり取りされている。アイドルやK-POP、キャラクターを中心としたエンタメ・ホビーのグッズから、トレカデコやファンサうちわなどのハンドメイド品など、“推し活”テーマを軸とした取引が多く生まれている。

WWD:ファッションについてはどうか?

山口:かつては「シャネル(CHANEL)」「アップル(APPLE)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」といった高価格帯のブランドが多かったが、今は「ユニクロ(UNIQLO)」「ナイキ(NIKE)」「アディダス(ADIDAS)」のような日常使いのブランドが上位に来ている。これは不要になった服をもう日常的にフリマで売るという消費行動が定着してきたことと、世代や性別を限定しないアイテムを扱っているブランドの取引が増加しているからだと考えている。「ユニクロ」のように誰もが1着は持っているブランドは、サイズ感が想像しやすいというのもあるようだ。とはいえ、ハイブランドもキレイな状態だと価格差が生まれやすいので、得だと感じる人も多い。割合にするとレディースが減っているが、レディース自体の取引は増えている。アパレルは、メンズと合わせれば、カテゴリーとして最大だ。

WWD:利用の仕方や価値観の変化など、ユーザーの傾向で最近感じることは?

山口:Z世代を中心にリセールバリューを考えて買う人が増えている。メルカリ総合研究所の調査(23年8月)ではフリマアプリを利用したことがある人が約半数で、さらにその半数が「リセールバリューを考える」としている。ユーザーインタビューをすると「試着室でいくらで売れるかを検索してから試着室を出て買う」という人も多く、「売ってから買う」という人も。特にそのリセルバリューが意識されるカテゴリーがアパレルや押し活関連商品だった。物価が全般的に上がっていることに加え、新品・美品の出品も増えているので、全体的な単価は上がっている。

WWD:確かに「売り値を買う時に検索する」という新たなショッピング行動は、「メルカリ」の存在が大きそうだ。「使いかけのコスメを売買する」というのも、最初は驚いた。

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