街頭に立って5時間超ウオッチング
自宅の近所にちょっと有名なお寺があり、出勤時(=朝から)多くの訪日外国人客とすれ違う。渋谷駅で降りれば、数百mの間、ほぼ外国語しか聞いていないことに気づく。通退勤時の電車内でも、大きなスーツケースを持った外国人と一緒になる。
つまり、訪日外国人客の“再増加”を日々の生活の中でひしひしと感じている。では、彼らはどこで何を買っているのか?
ゴールデンウイーク(GW)のある1日、正午から17時過ぎまで下北沢の街に立って、外国人に声を掛けてみた。買い物袋を持った人には中身も見せてもらった。
そこで見えた意外なリアルとは!?
オーストラリア、フランス、台湾など21人をスナップ!
19歳のフランス人“小顔”男子
米国から来たスキーインストラクター
仲良し台湾人ファミリー
「ゴジラ」好きの23歳スイス人
オーストラリアから来たDJ2人
オーストラリアからさらにDJ3人
英国×韓国の国際カップル
ノルウェーから来た元気な女子2人
オーストラリアの大人カップル
ちょっとシャイな香港のパパ&娘
「アート関係の仕事をしている」という香港人の父娘。「恥ずかしいから……」と顔出しはNGだったが、「買ったものなら」と協力してくれた。
インパクト抜群のフランス人“ツーリスト”
シンガポールから初来日中の歌手
下北沢のインバウンド客の財布のひもは案外堅い?
街頭に立って感じたのは、“下北沢を歩く人、店に入る人のざっと半分が外国人”ということ。
昨年、「古着屋ジャム下北沢店」をオープンしたJAM TRADINGの福嶋政憲社長に聞くと、免税売り上げは前年同期比で42.3%増だという。
同店の来店者は1日約700人で、うち50〜60人がインバウンド客だ。「オーストラリア人が多く、ヨーロッパからの訪日客も増えた」と話す。
インバウンド客の決定(購入)率は約2割で「日本人に比べて高い」が、“一度店を出て、戻ったものの買わない”姿も複数目撃した。円安の影響を受けた“(ほぼ)ノールック買い”は消えた印象だ。例え、それが5000円ほど(インバウンド客からしたら3000円ほどの感覚?)の古着だとしても。
福嶋社長は、「国内外を問わない古着ブームのおかげで、これまで縁がなかった人にも手に取ってもらえることは大きな前進。けれど、ブームは必ず終わる。外国人客が多いと感じるのは、裏を返せば日本人客が少ないということ。カルチャーとしての古着を、下北沢にあらためて根付かせることがわれわれの使命だ」と語った。
PHOTOS : SHIMPEI SUZUKI