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ファンケルが制服をリニューアル、私服アレンジを可能に オンワードグループとの協業で8代目

ファンケルは、4年ぶりに全直営店舗のスタッフが着用する制服をリニューアルし、5月16日から導入する。デザインは、20年以上協業するオンワードコーポレートデザインが製作した。新制服はノーカラージャケットやワイドパンツ、ワンピースなど全12アイテム67通りのバリエーションで、私服やスニーカー(白のみ)のアレンジを可能にした。

新制服のデザインは“エフォートレス”をキーワードに掲げた。「従来のエレガントで高級感を感じる硬さを改善し、グレーを基調に清潔感や安心感、自然体でいられる親しみやすさを反映した」(蒲地真喜子ファンケル店舗戦略部 店舗デザイングループ課長)。

「非常にこだわった」というワンピースは、肩や腰のラインに作業性とデザインを両立したシルエットを採用し、妊娠中でも安心して着用できるデザインに仕上げた。着用したスタッフは「軽さがあって着心地がいい」と笑顔を見せた。蒲地課長は「年代や性別問わず、選ぶ楽しさや自分らしく個性を表現できる制服を通じて、働きがいを感じてもらえることに期待する」。

オンワードコーポレートデザインによる制服は今回が8代目となる。六川大河オンワードコーポレートデザイン サステナブル推進課 課長は「昨今の制服は、社会課題に対する企業姿勢を示すツールとしての役割に変化している」と分析。そこで新制服の一部には、豊島が展開する、ビーチクリーン活動で回収した漂着ペットボトルから作られた再生繊維「アップドリフト」を採用。使用済みとなったリニューアル以前の制服は、回収後アップサイクルして店装などに活用する。「今回の制服を通じて、スタッフとお客さまとのサステナブルなコミュニケーションが生まれるきっかけになれば」と期待を寄せる。

2022年1月に現職に着任した佐藤由奈ファンケル上席執行役員 店舗営業本部 本部長は、「着任当時、コロナ禍で店舗は国内客の足が遠のき、コロナ前の19年度に140億円あったインバウンドの売り上げが消失した。何よりもスタッフのモチベーションが低下してしまい、私自身も戸惑っていた」と振り返る。この2年は、スタッフのモチベーションアップの取り組みや収益改善のために不採算店の閉鎖などを実施。館・地域に寄り添った店舗リニューアルや体験イベント、ワークショップなどが功を奏し、現在の国内の1店舗ごとの売り上げは2019年を上回る水準となった。

コロナ禍以前は画一的な店づくりを行ってきたが、「店舗の役割は単なるお買い場(売り場)ではなくブランドの体験場。『脱・金太郎アメ』を目指す」と、“足を運びたくなるお店”づくりに力を注ぐ。

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