訪日客のキャラクターや地域が多様化する中で、インバウンド消費に強いブランドや店舗も変わりつつある。主要都市の路面店ではインバウンド比率が3〜5割にまで高まる中で、施策はどうあるべきか。渋谷パルコから原宿の「アットコスメトーキョー(@cosme TOKYO)」「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」まで、銀座や表参道、渋谷、心斎橋、福岡の主要都市の12店舗・ブランドの動向をまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年5月20日号からの抜粋です)
オニツカタイガー
免税売り上げ比率
2023年12月期
44%
好調アイテム
メキシコ66デラックスなど
インバウンド消費の象徴的存在
世界の需要を日本で取り込む
「オニツカタイガー」と言えば、最強の「日系インバウンドブランド」の1つだ。表参道や銀座、渋谷、大阪などの直営店には、訪日客のファンたちが文字通りに押し寄せる。こうした絶好調の原動力は「日本発信のグローバルブランドとして、世界各国の店舗やオンラインを起点に一貫したコミュニケーションを行っていること」(同社広報)という。実際に売上高603億円(2023年12月期)の「オニツカタイガー」で売り上げ構成比の最も大きなエリアは中華圏であり、全体の35%を占める。2番目に大きいのは、約30%を占める日本地域で、同時域の売上高は23年12月期でなんと2倍に拡大した。こうした勢いは24年も続いており、日本地域の売上高は1〜3月でも引き続き前年同期の2倍というペースを維持している。この伸びをけん引しているのは、4割以上を占めるインバウンド売り上げ。昨年は銀座などに3店舗を出店しており、このペースで行けば、24年12月期に日本が最大の売り上げになる可能性は十分にある。「オニツカタイガー」はこれまで同様、円安時代のインバウンド消費を確実に捉え、日本国内での売り上げまでさらに伸ばしそうだ。
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