米国ではビューティ業界全体でのサステナブル関連の規制が少ない。そこで、独自のラベルやガイダンスを策定するなど戦略的に消費者への透明性を高めている大手小売りの活動をはじめ、消費者からの信頼が厚いブランドの取り組みを追った。また、サステナビリティの活動に欠かせない「ごみ・廃棄物対策」「海洋プラスチック対策」「再生可能エネルギー対策」「地球温暖化対策」「クルエルティフリー」の5つのキーワードから各社の取り組み事例を紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年5月27日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
大手小売りのサステナブル施策
業界全体での規制が少ないが、小売りもサステナビリティの取り組みを推進。独自のラベルやガイダンスを策定するなど戦略的に消費者への透明性を高めている。市場をけん引する大手小売り3社の活動を追った。
セフォラ
独自のラベルで透明性を可視化
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン傘下の化粧品セレクトショップ、セフォラ(SEPHORA)は、18年にパラベンや硫酸塩など有害とされる成分をリスト化した独自のクリーン基準「クリーン アット セフォラ」を制定した。今年の3月には、これを大幅にアップデートした「セフォラでクリーン」と「セフォラでプラネット・アウェア」という2つのグローバル・サステナビリティ・ラベルを発表した。商品の成分や処方、ブランドの環境保護へのコミットメントなどの伝え方にルールを定め、消費者に対する透明性を高めることを目的とする。
アルタビューティ
環境負荷の削減ガイダンスを無料提供
アルタビューティ(ULTA BEAUTY)は20年に、透明性を重視するクリーンな成分、クルエルティフリー、ビーガン、サステナブル・パッケージ、ポジティブ・インパクトの5項目を柱に「コンシャス・ビューティ」プログラムを立ち上げた。同社は提携するブランドに対し、環境負荷を削減する方法などに関するガイダンスを無料で提供しており、23年には300以上のブランドが1つもしくは複数の項目で認証を受けている。また、同社のプライベートブランドである「アルタビューティ・コレクション(ULTA BEAUTY COLLECTION)」の製造工場は、全てMOCRAに準拠する予定だという。
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