ファッション

「アンタイトル」にみる秋MDの新常識 カギは秋色&夏素材

残暑が厳しさを増す昨今、アパレルメーカーの秋の戦略は変化している。9〜10月も日によっては30℃超えの高気温が予想される中で、「買ってすぐ着られる薄手の素材」「秋気分を先取りできる色柄」を兼ね備えた商品がMDのカギになる。

サラッと着られて秋気分な
ツイード&ベルベットライク

ワールド傘下フィールズインターナショナルの「アンタイトル(UNTITLED)」は秋の立ち上がりの8月下旬〜9月、ポリエステル素材で家庭洗濯可能なロングジレ(4万9500円)、ジャケット(4万2900円)を推す。ウールツイードのような凹凸感を染めで表現しつつも、サラッと軽やかな厚みとタッチで、初秋からシャツとの重ね着が楽しめる。モール糸を使用したカーディガンとスカートのセットアップは、ベルベットのような艶の上品なルックスながら、「汗をかいて家庭洗濯しても痛みにくく、扱いやすいのが売り」(佐藤三貴アンタイトル屋号長)。

10月になると防寒性を意識したアウターも一部投入するが、カーディガンやジャケットなど「脱ぎ着で温度調節しやすいことが重要」。再生ウールの混紡素材を使用した“Pジャケット”(5万5000円)は、ピーコートとテーラードジャケットの中間程度の厚みと着丈で、インナーの調節で冬でも着られる。

ウールコートやダウンは
仕入れ減、投入後ろ倒し

秋冬の主役であるウールコートやダウンなどの重衣料は、例年よりも仕入れ量を減らす。投入を1カ月程度後ろ倒しにし、11月〜1月で重点的に販売する。セール期の2月も、値引き商品の数、値引き幅を抑えて利幅を確保する。「従来のようにウールコートやダウンといった高単価商品に頼らないMDを作る。レイヤードによるコーディネート提案を強化し、セット販売で客単価を底上げしたい」。

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