ファッション

三陽商会がリユース品販売を開始 若年層など新規客層の開拓に期待

三陽商会は21日、東京・新宿区の「サンヨーG&B アウトレット」落合店の1階で同社ブランドのリユース品販売を開始した。店内には消費者から集めたリユース品約500点をそろえ、トップスは2000〜4000円、ボトムスは4000円、ワンピースは6000円、アウターは7000〜9000円で提供する。

同社は2019年に衣料回収活動を開始した。当初はリサイクルを目的とし、回収後の衣料は新しい服の原料や自動車内装材などに再資源化していた。今年3月28日から、再販売を前提とした回収に切り替え、「リ・サンヨー」という事業名で再スタートを切った。松尾峰秀・専務執行役員は「当社は創業当初より長期着用を前提とした服づくりをモットーにしている。13年連続で規模を拡大し続けているリユース市場と消費者のサステナビリティ意識の高まりを踏まえて、リユース事業への着手は必須と考えた」と話す。

常時、直営店全店と百貨店内のブランド売り場で衣料品と雑貨を回収しているが、5月末時点で回収点数はすでに1万点を超えた。回収した衣料品は自社倉庫に輸送し、独自基準に基づいて仕分けをする。基準をクリアした品質のアイテムが認定リユース品として店頭に並ぶ。再販売しない回収品は循環商社ECOMMITを通じてリユース、リサイクルされる。

こういった取り組みにより、資源循環型ビジネスモデルの構築とGHG排出量の実質的な削減を目指す。また、低価格帯で商品を提供できるため、プロパー品を購入する既存顧客とは異なる客層の開拓や既存顧客の来店促進も期待する。例えば、「エポカ(EPOCA)」の22年春夏に売られた定価5万600円の花柄ブラウスは、リユース品では3300円で販売する。

初年度の衣料品回収点数の目標は5万点だが、初年度から2年目まではトライアル期間として回収量や販売価格、利益の創出の具合などを分析する。下期には「サンヨーG&B アウトレット」用賀店、潮見店でも展開を開始することを決めており、3年目より本腰を入れて事業を拡大していく計画だ。

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