「ランバン(LANVIN)」は6月27日、新たなアーティスティック・ディレクターとして、英国出身のデザイナーであるピーター・コッピング(Peter Copping)を任命した。同氏は9月に着任し、ウィメンズおよびメンズウエアを手掛ける。2025年プレ・フォール・コレクションが初のコレクションとなる予定だが、ランウエイショーのデビュー時期は明らかにしていない。
「ランバン」はクリエイション体制を刷新しており、23年4月には同ブランドを4年間率いたブルーノ・シアレッリ(Bruno Sialelli)=クリエイティブ・ディレクターが退任。6月には、さまざまな分野のクリエイターを招へいする新たなプロジェクト「ランバン ラボ(LANVIN LAB)」を立ち上げ、最初のクリエイティブ・ディレクターとしてグラミー賞受賞アーティストのフューチャー(Future)を起用した。
コッピング新アーティスティック・ディレクターは、王立美術大学(Royal College of Art)とロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校(Central Saint Martins, University of the Arts London)を卒業後、「ソニア リキエル(SONIA RYKIEL)」のデザインスタジオでキャリアをスタート。1997年、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のアーティスティック・ディレクターに就任したマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)のアシスタントとなった。2009年には「ニナ リッチ(NINA RICCI)」の、14年には「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」のクリエイティブ・ディレクターに就任。当時82歳だった創業デザイナーのオスカー・デ・ラ・レンタが、自身の後任として指名したという。なお、デ・ラ・レンタは、1950年から62年まで「ランバン」を率いていたアントニオ・カスティーヨ(Antonio Castillo)の下でクチュールのアシスタントを務めていた。
その後、コッピング新アーティスティック・ディレクターは16年に「オスカー デ ラ レンタ」を離れ、インテリアや家具に関するプロジェクトに注力。21年には、オートクチュールを53年ぶりに復活させた「バレンシアガ(BALENCIAGA)」に加わり、22年からはクチュール部門の責任者としてアトリエを指揮していた。
コッピング新アーティスティック・ディレクターは、「(創業デザイナーの)ジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)は先見の明があり、その興味対象と情熱はファッションの枠をはるかに超えていた。私も同様であり、『ランバン』のアーティスティック・ディレクターに選ばれたことを、またアトリエやチームと共にこのアイコニックなメゾンの新たな章を描いていけることをとても光栄に思う」と話した。
同ブランドを擁するランバン グループ(LANVIN GROUP)のエリック・チャン(Eric Chan)CEOは、「ピーターを迎えることができ、大変うれしく思う。その卓越した才能と、好奇心と革新性をもってメゾンのコードを再解釈する能力により、『ランバン』を成功へと導いてくれるだろう」と語った。
シッダールタ・シュクラ(Siddhartha Shukla)=ランバン副最高経営責任者(CEO)は、「ピーターの着任は、フランスの偉大なメゾンの1つである『ランバン』の復興における重要なマイルストーンだ。そのビジョンと厳密な技術、そして世界中のチームの不断の努力により、当ブランドはファッションの新たな境地を開き、美しさと業績を等しく提供できると革新している」と述べた。