資生堂が米発スキンケアブランド「オーシア(OSEA)」の買収を検討していると、複数の業界筋は米「WWD」に語った。なお米「WWD」は3月、「オーシア」が投資銀行レイモンド・ジェームズ(RAYMOND JAMES)にオプションの検討を依頼したと報じている。資生堂の広報担当者は、「市場の噂や憶測についてコメントしない」と発表しており、「オーシア」やレイモンド・ジェームズもコメントを拒否している。
「オーシア」は、ジュネファー(Jenefer)とメリッサ(Melissa)・パーマー(Palmer)親子が1996年にアメリカのカリフォルニア州で創設したスキンケアブランド。ブランド名は、「海(Ocean)」「太陽(Sun)」「地球(Earth)」「空気(Atmosphere)」の頭文字からなり、海藻やその他の植物成分を配合した、ビーガンでクルエルティフリー(動物実験をしない)の商品を開発する。ビューティ専門チェーンのアルタビューティ(ULTA BEAUTY)や、百貨店大手のノードストローム(NORDSTROM)、小規模な専門小売店などで販売している。
米「WWD」が発行する「ビューティ インク(BEAUTTY INC)」は2月、同ブランドの主力製品“ウンダリア藻ボディーオイル”(1オンス、20ドル〜=約30mL、約3200円〜)を“史上最高のスキンケア”の1つに選出。年間売上高は約1億ドル(約160億円)で、小売店とECがほぼ半々の割合と推定される。
資生堂は昨年12月、皮膚科学をベースにした米発プレステージスキンケアブランド「ドクター デニス グロス スキンケア(DR DENNIS GROSS SKINCARE)」を4億5000万ドル(約720億円)で買収。同ブランドの売上高は、2023年に3億ドル(約480億円)を突破する勢いと見られている。この買収は、「シセイドウ(SHISEIDO)」や「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」とともに、主力であるプレステージ スキンケア事業の強化を加速する狙いで行われた。
また資生堂は7月4日、「マックスマーラ(MAX MARA)」と長期的なフレグランスライセンスの締結を発表した。今後、「マックスマーラ」のフレグランス商品の開発、生産、販売を担う。