ファッション
特集 多様化する登山市場2024 第2回 / 全6回

「山と道」を経て独立 山ブランド「リッジ マウンテン ギア」が目指すフェアなモノ作り

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PROFILE: 黒澤雄介/RIDGE社長

黒澤雄介/RIDGE社長
PROFILE: (くろさわ・ゆうすけ)1980年生まれ、前橋出身。4歳上の兄の影響で中学でスケートにはまり、高校時代に裏原カルチャーの洗礼を受ける。東京モード学園ファッションデザイン学科を卒業後、ミセス服メーカー、OEM企業でのパタンナーや生産管理を経験。在籍中に登山を始め、山道具のブランド「リッジ マウンテン ギア」をスタート、2015年に「山と道」にジョイン。19年11月に独立し、「リッジ マウンテン ギア」を本格化。5歳と0歳の2児の父 PHOTO : KAZUO YOSHIDA

「リッジ マウンテン ギア(RIDGE MOUNTAIN GEAR)」(以下、リッジ)は、「山と道」勤務経験もある黒澤雄介RIDGE 社長が2019年に本格的に立ち上げたブランド。山のガレージブランドは、山好きが高じてそれまでミシンを触ったこともなかった人が立ち上げるケースも少なくないが、黒澤社長は東京モード学園を卒業し、ミセス服メーカーや千駄ヶ谷のOEM企業でも経験を積んでいる。黒澤社長に、アパレル業界にいたからこそ感じる、山の魅力やブランドとして目指すあり方を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月15日号からの抜粋です)

山も街もボーダーレスに

「リッジ」は、アパレル企業勤務時代に登山を始めた黒澤社長が、2014年ごろから山用の財布やサコッシュなどを自作するようになったことがブランドの原点。ブログを通して希望者に販売していたが、オーダーが多数入るようになったためECを開始。現在はウエアやザックも手掛け、個人経営の登山店を中心に国内外50社超に卸販売する規模に育った。ブランドが本格化した19年以降、売り上げ規模は「毎年10〜20%の伸び。コロナ期間中も、特に苦戦はしなかった」という。

「山でも街でもボーダーレスに身につけられる」ことがコンセプトだ。「自分が山に行き始めた11年ごろは、いかにも登山者、というような格好がコスプレ感覚で楽しかった。でも、やっていくうちに山用と普段用の服や小物を分けるのは面倒だし、お金もかかるなと感じるようになった」。黒澤社長自身、ファッションが好きで若いころからいろんな服を着てきたが、「結局、山で使える素材の服が街で着ていても一番ラクで快適だと気づいた。僕は山も街もずっと同じ格好がいい」。

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