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特集 “個性”が広げる百貨店の可能性 第9回

松屋・古屋社長が見据える百貨店の新しい姿「海外とローカルをつなぐ架け橋」

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PROFILE: 古屋毅彦/社長

古屋毅彦/社長
PROFILE: (ふるや・たけひこ)1973年8月17日、東京都生まれ。学習院大学法学部を卒業後、96年4月東京三菱銀行入社。2001年松屋入社。米国留学し、08年米コロンビア大学院国際関係学修士号取得。松屋に復帰後、本店婦人服一部長、本店長などを経て、22年3月から代表取締役専務執行役員。23年3月1日社長に就任 PHOTO : TAMEKI OSHIRO

松屋は旗艦店の松屋銀座本店で2024年2月期に売上高1017億円をたたき出し、32年ぶりに過去最高を更新した。今期も5月に免税売上高の割合が5割を超えるなど、インバウンド活況を追い風に前進する。世界中から人が集う銀座ながら売り場面積はわずか3.3万㎡。物理的スペースの捻出は常に課題だった。古屋毅彦社長はリアルとデジタルの融合でその制約を乗り越え、海外とローカルの架け橋として新たな百貨店の姿を作る。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月22日号からの抜粋です)

インバウンドの集客力を生かし、
海外とローカルをつなぐ架け橋となる

WWD:インバウンドによる空前の好業績をどう捉えているか。

古屋毅彦社長(以下、古屋):地の利も含めて松屋銀座の実力だと考えている。銀座は世界基準のショッピングの目的地になったが、松屋銀座はまだピンポイントの目的地になれていない。しかし、銀座で買い物をする場所のトップ3には入っているはず。海外の金融機関と提携して認知向上を図ったり、長年のラグジュアリーブランドとの信頼関係で充実した売り場を構えてきたりしたからだ。円安は大きな追い風になっているので、そこは実力以上の部分だと思う。

WWD:直近の免税売上高の割合はどうか。

古屋:円安の影響で3、4月から増え続けていたが、労働節(5月1〜5日、中国の長期休暇)で一気にブレイクし、5、6月は5割に達した。以前は訪日客が高い割合を占めることをネガティブに捉えていたが、今は違う。国内顧客を大切する姿勢は変わらないが、訪日客はニーズがあるから来店するのであって、そこに応えていくのが小売業だと考えている。

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