花王の2024年1〜6月期連結決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比6.7%増の7879億円、営業利益が2.2倍の579億円、純利益が2.6倍の434億円だった。DXを活用したマーケティングやスクラム型商品開発などによるコアブランドの強化と、高付加価値化による価格改定といった収益構造改革が奏功し、大幅な増益となった。
化粧品事業の売上高は同0.8%増の1167億円だった。日本市場が回復する中、「カネボウ(KANEBO)」「アリィー(ALLIE)」「ソフィーナiP(SOFINA IP)」などが好調に推移したが、中国向け越境ECの市況低迷と「ケイト(KATE)」の売り上げが昨年のヒットの反動により減少したことで、全体としては微増にとどまった。中国では市場伸長の鈍化と競争環境の激化の中で、「キュレル(CUREL)」が苦戦。欧米では「センサイ(SENSAI)」の新商品が好調に推移した。
へルス&ビューティケア事業(スキンケア、ヘアケア・パーソナルヘルス商品を展開)の売上高は同11.6%増の2106億円だった。スキンケア商品の売上高は前年同期を上回った。日本ではUVケア商品とシート関連の新商品が好調に推移し、23年11月に買収した「ボンダイサンズ(BONDI SANDS)」の売り上げも寄与した。日本市場におけるリブランディングした「エッセンシャル(ESSENTIAL)」の好調などにより、ヘアケア商品の売上高も前年同期を上回った。パーソナルヘルス商品の売り上げは前年同期を下回った。ホットアイマスク”めぐりズム”は好調に推移したが、入浴剤が競合からの価格攻勢の影響を受けた。
下半期は中国における化粧品の在庫適正化とヘアケア事業などのグローバル成長加速に向けたブランドポートフォリオの構築に取り組む計画だ。
24年12月期の連結業績予想は上期の業績が好調に推移したことで、利益面を上方修正する。修正後は売上高が1兆6000億円(修正前は1兆5800億円)、営業利益が1400億円は(同1300億円)、純利益が1040億円(同980億円)と引き上げる。