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「モンベル」がPFCフリーの生地を用いたレインウエアを開発 「高機能と環境負荷低減を実現」

「モンベル(MONT-BELL)」はこのほど、表地、防水透湿のメンブレン、裏地のPFC(有機フッ素化合物)フリーを実現したレインウエアを開発した。PFCは撥水加工をした素材や、耐久防水性や防風性、透湿性を実現するメンブレン(内部の防水膜)の製造工程で使われる場合が多く、一部のPFCは環境や人体の健康へ悪影響を及ぼすとして指摘されており、各国でPFCを禁止する法規制が整備されつつある。メーカーの多くが完全排除を目指す一方、非常に難易度が高く全製品で達成しているメーカーは少ない。

「モンベル」は2015年から撥水加工剤の成分の変更をはじめ、20年にはPFCフリーの撥水加工を生地に活用したトレッキングパンツやダウンパンツの販売を始めた。そして24年、レインジャケットの生地にPFCを使用しない製品を発売した。「われわれが提供するのは命を守るギア。高山で撥水機能が低下したウエアを着ていると低体温症のリスクが高まる。レインウエアは特に命に関わるため慎重に進めた」(広報担当者)という。

PFCフリーに向けた研究開発のきっかけは「欧米でPFCの自然環境や人体への影響について議論され始め、法規制に向けた動きがあったこと。日本では他社に先駆けて製品開発を行ってきた」(広報担当者)。モンベルは、スイスとアメリカに直営店を、ディストリビューターを通じて英国や中国、東南アジアやエクアドルに展開している。

これまで撥水加工剤として主流だった炭素が8個並んだ分子構造「C8(長鎖)」タイプのPFCは、健康影響が指摘されたことから多くのメーカーが「C6」への移行を始めるも、「C6」も有害の懸念があるという研究報告があり、多くの企業がPFCフリーに向けて研究開発を行っていた経緯がある。

「モンベル」が3月に発売した“スーパー ドライテック ピークシェル ジャケット”は、3層構造(3レイヤー)生地のレインウエアで「モンベル」史上最軽量かつ高い透湿性を誇る。採用している自社開発した新素材「スーパードライテック」は透湿性が高く、雨や風を防ぐことができる。表地は極細の高強力ナイロン糸で織った7デニールの「バリスティックエアライト」を使用し、裏地も保水しにくいナイロン糸を高密度に編み上げた10デニールの生地を用いることで軽量化を実現。裏地の保水が少ないナイロンは60%がトウゴマ由来を採用している。

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