PROFILE: 竹井祐介さん/「ロク シンジュク」
竹井さんはユナイテッドアローズ(以下UA)でも数少ない、ウィメンズ業態で販売接客する男性スタッフだ。トラッドをベースに、メンズウエアにない「ロク」独特の色使いやシルエットを活かした個性的なミックススタイルはSNSでも人気を集めている。店頭では「女性のブランドを男性が語るという“違和感“が説得力につながっている」と竹井さんにアドバイスを求める女性客も少なくないという。さまざまなブランドで培った接客の実力は、昨年獲得したルミネストのゴールドでも証明された。これまで4回の挑戦では、歴代受賞者の動画を見るなど対策していたが、今回はいつも通りの接客とモチベーションに集中し、自分らしさを貫いた。「ふだんは入店されたお客さまとの距離感を意識しながら、時にはフランクにテンションも上げて話すことも。その方が僕も楽しいし、お客さまも楽なんじゃないかなと思うんです。でも見極めは大事です。詰めすぎちゃって時々謝っちゃうこともあるんですけどね(笑)。でも自然体で挑めたことがルミネストゴールド受賞につながったかなと思いますね」。(この記事は「WWDJAPAN」2024年9月23日号から抜粋・加筆しています)
自分らしい接客に立ち返り、新たなキャリアを築いた竹井さんの販売員としての道のりは平坦ではなかった。大学生でアルバイトから接客を始め、アパレル企業就職後も7年間は続けたが、自分磨きや高みを目指す周りの販売員に圧倒され、「販売の仕事を突き詰めることにだんだんと楽しめなくなっていきました。何か自分には合ってないな、ファッションって難しいかも」と一度離職。でも「やっぱりファッションがやりたい」とUAで再チャレンジすることを決意した。販売員の将来を後押しする独自の人材認定制度「セールスマスター」を設けるUAでは、販売員としてのスキルだけでなく、個性を評価する体制がとても励みになったという。「当時好調だった『モンキータイム』の店舗では、店長がブランドのストリートのテイストと真逆だった僕をあえて前に立たせてくれたことが、販売員としての自信ややりがいを持てた大きな転機になりました」。
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