ファッション

令和のカリスマを決める「スタッフオブザイヤー2024」頂上決戦 総力レポート

有料会員限定記事

“令和のカリスマ店員”を決めるバニッシュ・スタンダード主催の「スタッフオブザイヤー2024」が9月13日に開催された。前回準グランプリだったビームスSUDOさんがリベンジ出場しただけでなく、グランプリを獲得したユナイテッドアローズ(以下、UA)の仲さんがさらなる高みを目指して再挑戦したこともあり、熾烈さが増すとともに全体のレベル向上が顕著だった。さらにUAとビームスが2年連続でワンツーフィニッシュを飾り、セレクトショップ強し!を印象付けた。今大会の試みと、3000ブランド、8万5000人の頂点に立ったグリーンレーベルリラクシング(GLR)の栗本さんと、再び準グランプリとなったSUDOさんのロープレやコメントを詳細にレポートする。

4回目となる「スタッフ・オブ・ザ・イヤー2024」では会場を国際フォーラムに移し、前回の2倍の約1000人が会場で観戦した。ファイナリストの14人は、UAからUA新宿店の仲さん、GLR自由が丘店の栗本さん、ビューティ&ユース UA福岡店の村尾(murao)さん、バロックジャパンリミテッドからリエンダ新宿ルミネエスト店の植竹玲菜さん、マウジールミネエスト新宿店の大谷愛加さん、LAGUA GEMソラリアプラザの吉野愛理さんの各3人と、ビームスからビームス新宿店のSUDOさん、ビームスストリート梅田店のBAKU(東江漠)さん、パルからパルのナチュラルクチュールコクーンさいたま新都心店のアコ【163..5㎝】さん、ビアズリーコレド室町店のFURUKAWAさんの各2人、ワールドのアンタイトル名古屋名鉄店のYuKaRiさん、トゥモローランド札幌ステラプレイス店のDaijoさん、デイトナインターナショナルのフリークスストアららぽーと海老名店の宮岡巧未さん、サザビーリーグのエッセンス・オブ・アナイ神戸大丸のFujimoto.yさん、リーバイスららぽーとTOKYO-BAY店のRyu-ichiさん。

今回の第1審査のロールプレイングのパートでは、パリ五輪のブレイキングのダンスバトルのように、お客さまを交互に接客する1on1方式を採用。先攻、後攻が順番に90秒の持ち時間での接客を2回繰り返し、審査員4人の4票とオンライン投票分1票の5票のうち、多く獲得した7人と、敗者復活の中から得点の一番高かったユナイテッドアローズの仲さんを加えた8人が第2ラウンドに進出。「私の想い」と題した90秒間のスピーチの得点と第1ラウンドの得点の上位3、4位が3位決定戦、上位1、2位が優勝決定戦に進み、最終ラウンドでも1on1が行われた。

これが令和のカリスマ販売員の接客ロープレだ!
グランプリのUA GLR栗本さん

グランプリに輝いたGLR自由が丘店店長の栗本さんの前に現れたのは、お客さま役のお笑いコンビ・スパイクの松浦志穂さんだ。「こんにちは。ごゆっくりご覧くださいませ」とあいさつし、「何かお探しですか?お悩みのご様子ですが」とファーストコンタクト。仕事で着る服が欲しいと聞き、「そろそろ秋物の新調のタイミングですよね。グリーンレーベルはそういったシーンのお洋服がとても得意なので、ぜひお手伝いさせてください」とニッコリ。相手から早速「ありがとうございます」の言葉を引き出し、頼りになりそうな雰囲気を醸成。「何かイメージされているものはございますか?」との投げかけに対して、セットアップが気になっているとのことで、「一つオススメがございまして。ご紹介してもよろしいですか?」「オンオフ、お召しいただきやすい、ハンサムなイメージでお召いただけるこちらのセットアップ、いかがでしょうか?」と提案。早速、いいですね~との好感触を得て、「普段はどういったお召し物で仕事をされているんですか?」と聞き、「ご覧の通り、けっこう個性的で奇抜なものが好きで」というお客さま役の言葉に、「バッグなども素敵ですね」と着用アイテムに言及。「これ、気に入ったんですけど、もう少し個性を出したいな」という要望に対して、「お客さまの良さを引き立てていくためには、ベーシックに合わせても良いですが、インナーで印象を変えていただくのはいかがでしょうか?よかったら鏡で合わせてください」と姿見の前にスムーズに誘導。「たとえば、シアーな素材感を入れていただくことによって印象が変わると思います」とし、いいですね、いいですねと良いアクションを獲得。「プレゼンなど大事な場面での着用ですか?」とさらに深掘りし、人前に出るシーンで着用することまで聞いたところで前半の90秒の接客の終了の合図が鳴り、「ぜひご検討ください」と加えて、好印象を残す。

再来店時には、「お帰りなさいませ。何か気になるものはありましたか?」と迎え、いろいろ迷ってしまっているとの答えに、「先程、おうかがい忘れてしまったんですけど、大事な場ということでしたが」と先般の会話を継続し、大きめの発表をしなければいけないことや、かっちりした印象は必要だけれども、自分の個性も出したい、という要望を引き出す。そこで「今までお仕事を頑張られてきたからこそ、その場でしっかり自信を持って立っていただけるようにしていただきたい」と寄り添い、絶対その日で決めたいという言葉を聞き、「であれば、やはりこういったフェミニンなものもあるんですけど、お客さまのキリッとした凛としたイメージをより引き当てていただくには、セットアップで行っていただきたい」と強めにプッシュ。一方でインナーについては「シアーなものをご提案させていただきましたが、こういうふうに着てみたいというものはありますか?」と再びヒアリングを重ね、今の感じが好きだとの回答を得て、逆に何か小物的なものはありますか?と質問を受け、「お足元、ヒールとかも素敵だと思うのですが、よりシゴデキ感(仕事ができる感)を出していただくために、こういったローファーなど合わせていただくのはいかがでしょうか?」と紹介し、だいぶいいですね、との言葉をもらい、「お客さまの印象を引き立てそうな気がしますし、これで発表されたら、『あ、任せたい』ってきっと思っていただけると思います」とたたみかけ、ここで終了の合図があり、報告に来ますとの言質も取り、「ありがとうございます。お待ちしております」と綺麗にフィニッシュした。

この続きを読むには…
残り8553⽂字, 画像14枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。