4大ファッション・ウイークの中でもリアルクローズに最も近いNYFW。世界のファッションの潮流がベーシックに傾く中で、ジャケットやシャツなどの“定番”を地味に見せないNYブランドのエフォートレスな着こなしは、日本のリアルクローズブランドも参考になるはずだ。加えて今季は、レースやオーガンジーなど繊細な手仕事の要素、多国籍都市ならではの民族伝統の素材やデザインの融合により、純粋なクリエイションの進化も感じられた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年9月30日号からの抜粋です)
1. 繊細な手仕事のエッセンスも
“マジメ”に見せない着こなし
刺しゅうやレースなど、繊細な手仕事を取り入れたブランドが多出。ただ全体としてのムードはマジメ、神経質に感じさせず、都会的でエフォートレスに落とし込むNYブランドらしい提案力が光った。「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」はオーガンジーを手作業で花柄にあしらったドレス、ラフィアを刺しゅうしたレザースカートなど、凝った素材が明らかに増えた印象だ。スイムスーツやカゴバッグを合わせ、肩の力が抜けたリゾートスタイルに落とし込んだ。「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」はファーストルックから花モチーフのレースのドレスを連発し、鳥の羽のようなフリンジ素材も目を引いた。得意のデニムスタイルにも、フリルやギャザーを寄せたスカートを合わせ、ロマンティック要素をプラスした。
「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」
ベーシックすぎるのは退屈だ。ただ快適で汎用性があり、一度着て終わりではない服を作ることは、常に頭の中にあるよ。(マイケル・コース〈Michael Kors〉/「マイケル・コース コレクション」デザイナー)
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