PROFILE: 若月佑美/俳優・モデル
雑誌「オッジ(Oggi)」の美容専属モデルを担当する一方で、ドラマや映画などの俳優としても活躍している若月佑美。2024年1月ごろ、大胆なイメージチェンジでベリーショートに。Xではこれに関する一般ユーザーのポストが相次ぎ、一部の投稿に4.4万いいね、3.9万いいねが付くバズが巻き起こった。引用リポスト欄には「イケメン過ぎる」「推しが万バズしてる!」などの絶賛の声が相次ぎ、注目を浴びた。
そんな彼女は11月3日からスタートする舞台「有頂天家族」で、妖艶でミステリアスな女性の弁天を演じる。同作は、シリーズ累計55万部を誇る森見登美彦の人気小説で、下鴨神社の糺(ただす)の森に暮らすたぬき一家を中心に京都の地で、たぬき・てんぐ・人間が繰り広げる奇想天外、波乱万丈な物語だ。ドラマやアニメにもなるほど多くの人に親しまれている。
今回は、自他共に認める美容好きだという若月にこだわりの美容法や舞台ならではのメイク術、弁天を演じる難しさなどについて聞いた。
“もったいない精神”で、新商品も愛用品も使い回す
WWD:ようやく長い夏が終わりました。若月さんはきれいな“透明美肌”ですが、この夏日焼けしないように気を付けたことはありますか。
若月佑美(以下、若月):場面に合わせて日焼け止めを使い分けています。レジャー中だったり、長時間日光に当たるときは不快感の少ないジェルタイプを使いつつ、塗りなおしには香りの良いスプレータイプを併用するなどしています。
アイドル時代は「絶対に日焼けをするな」という通達が出ていて、野外会場のリハーサルのときでもアームカバー、帽子、サングラス、日焼け防止のフェースカバーをして完全防備していましたが、今はそこまで徹底はしていないです。もちろん日焼け対策はしっかりしますが、頑張り過ぎないくらいにしています。
WWD:季節の変わり目のスキンケアで意識していることは?
若月:やっぱり保湿ですね。たっぷり水分を補給して、インナードライにならないように気を付けています。あとは、化粧水の浸透をより良くするために必ず導入美容液を使うこと。夏に蓄積した古い角質を柔らかくするため、ターンオーバーを促進するアイテムを取り入れたりしています。
WWD:普段のメイクで心掛けていることがあれば教えてください。
若月:美容好きなので、コスメはたくさん持っているのですが、「同じものを無理に使い続けない」ことですね。自分に合いそうだなと思った新商品は積極的に購入して、愛用しているアイテムと併用するんです。気合を入れたい日は新商品を、家で過ごす日や家族とお出かけをする日は使い慣れているものを使用するなどして、バランス良く使い分けています。
“もったいない精神”を意識することで無駄もなくなり、新しい自分に毎日出会えるんです。
WWD:プライベートと仕事のオンオフはどうやって切り替えていますか。
若月:仕事のことを家に持ち帰ることはあまりなく、私服に着替えた瞬間に仕事モードがオフになります。自宅で台本を軽く読んだり、セリフを言ったりすることはありますが、そこにストレスはありません。
仕事に向かう前はルーティンがあって、車の中で必ずホットアイマスクをします。リラックス効果だけでなく、むくみも取れて一石二鳥です。極論ですけど、おしぼりで顔を拭くみたいな(笑)。その感覚に近いんだと思います。これだけはやらないと、仕事のスイッチが入らないですね。
WWD:疲れた日のご褒美はどうしていますか。
若月:大好きなアイスクリームは毎日食べているので……王道ですが、たまに食べる焼肉!「明日何してる?」を気楽に言える、秋元真夏ちゃんや佐々木史帆ちゃんを誘って行くことが多いかな。
WWD:バスタイムのお供は?
若月:絶対に入浴剤を入れます。小さいときからこれが当たり前になってしまっていて、透明なお湯に入れないんです(笑)。温浴効果も高まり、香りの癒やし効果もあるので入れないと気が済まないですね。最近はクレイにハマっていて、肌はツルツルになるし、毛穴の汚れがごっそり取れる気がします。
「蓄えた知識をアウトプットしないまま死ぬのはもったいない」
WWD:今後トライしてみたいことは?
若月:ファッションに関しては、ヘアをベリーショートにしたのでメンズライクな服装を楽しむということ。美容は、ニキビ痕に悩んでいるのでハーブピーリングをしてみたいです!
WWD:ダウンタイムが気になりますが……お仕事柄長期休みを取ることは可能なのでしょうか。
若月:1週間ほど、ピーリング休みが欲しいですね(笑)。いつできるか分からないので、今は「アラサー世代の人はどのくらいの期間でニキビ痕がきれいになるのか」というのを日頃のスキンケアで試しています。例えば約1年かかると立証できれば、同じ悩みを抱えている人が「1カ月で治るわけないか」と気が楽になりますよね?小さなことですが、誰かを救えるかもしれない!なんて考えています。そんな情報を美容が好きな方やファンの皆さんに発信したいです。
WWD:どこまでもファンファーストなんですね。
若月:ファンの皆さんも知りたいことだと思うので、私が蓄えた知識とか、やってきた経験をアウトプットしないまま死ぬのはもったいないなと思って。誰かの人生を1日でも早く豊かにしてあげられるお手伝いがしたいんです。自分が10年かかった知識を誰かに教えることができれば、その人は10年楽しく過ごせるのと思うので。誰かの力になれるとうれしいですね。
自身と真逆な女性“弁天”を演じる
WWD:舞台メイクのこだわりは?
若月:基本的に舞台だと、メイクは自分、ヘアはプロのメイクさんにしてもらうことが多いです。その役に合ったメイク方法を学ぶため、事前にレクチャーを受けたりもします。もちろん、役になりきるということが一番ですが、個人的には映像になったときに「やり過ぎていないか」をチェックするようにしています。
舞台メイクと聞くと、ライティングに負けないように濃く、目立つメイクをしているイメージがあると思います。ですが、昨今の舞台はオンライン配信をすることもあるので、映像にしたときにメイクが濃過ぎたりすると、画面越しに見てくれている方々が物語に集中できない可能性があります。キャラクターの雰囲気を損なうことなく、しっかりと表現できるように「ここまでなら大丈夫だろう」というギリギリのラインを攻めてメイクをしています。小さなこだわりですが、会場だけでなく、画面の先にいるファンの皆さんのことも考えてメイクするようにしていますね。
WWD:そこまで考えているのですね。美容業界は今、艶肌ブームが来ていますが舞台上ではどうしていますか?
若月:舞台ではクッションファンデーションなどの艶が出るアイテムは使わないようにしています。後からハイライターで艶を足すことはありますが、土台はマット一択。最後にフィックスミストをかけて、汗をかいても崩れないベースメイクに仕上げています。また、男の子の役を演じるときは自分の肌色よりもワントーン暗い色味を選んだりするなど、肌作りは自分で工夫することが多いです。
WWD:今回の舞台「有頂天家族」で演じる弁天の見どころを教えてください。
若月:弁天は人間にも、たぬきにも、てんぐにも寄らないミステリアスで妖艶な女性なんですよね。その様子がより際立つような演出が入る予定なので、マンガやアニメとはまた違った弁天が楽しめると思います。
WWD:弁天を演じるに際し、苦労したことは?
若月:私と真逆の性格や雰囲気なので、色気や妖艶な雰囲気をどう表現したら良いのか悩みました。弁天はてんぐなので、物語では飛んだり、急に姿を消したりする場面があるんです。舞台では演出や装置で助けてもらうかもしれないのですが、自分自身もちゃんと気配を消せるように、表情やしぐさで演じなければいけないと思っています。
WWD:最後に、舞台「有頂天家族」への意気込みを聞かせてください。
若月:フィクションではあるんですけど、舞台が京都なので、実際にある場所を思い浮かべて見ていただき、物語の世界にふと入ってしまったという印象を持ってもらえるような公演にしたいと、チームの一員として考えています。
弁天としては、Wキャストを務める下鴨矢三郎役の中村鷹之資さんと、濱田龍臣さんをサポートし、ちゃんと2人を立てられるような立ち位置でいられるよう尽くしたいです。また、会場には森見登美彦先生の作品が好きな方がたくさんいらっしゃると思うので、その方たちにも楽しんでいただけるように頑張ります。
▪️「有頂天家族」
11月3〜11日新橋演舞場、11月16〜23日南座、11月30日〜12月1日御園座
出演:中村鷹之資、濱田龍臣、若月佑美、渡部秀、池田成志、相島一之、檀れいほか
原作:森見登美彦(『有頂天家族』幻冬舎刊)
脚本・演出:G2