カナダ・バンクーバー発の「ルルレモン(LULULEMON)」は、関西の旗艦店となる新店を10月19日に大阪・御堂筋にオープンした。売り場面積は607.2平方メートルで国内最大級となる。同地域ではルクア大阪店、大丸心斎橋店に次ぐ3店舗目、国内では10店舗目。今年10月には東京・渋谷に新たな旗艦店のオープンも控えており、日本でのビジネス規模拡大に向けて加速する。
同店は、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」などラグジュアーブランドも多く並ぶメインストリートに位置する。観光地の道頓堀やアメリカ村、ビジネス街の本町とも近い立地を生かして、インバウンドや若者、ビジネスパーソンといった幅広い客層を狙う。
店舗は地下1階、地上1階、地上2階の3フロアで構成する。各フロアの中央には、人気パンツシリーズ“ABC”や“スキューバフーディー”といったシグネチャー商品を陳列した。ルルレモン・ジャパンリテールヘッドの福林綾は、「『ルルレモン』といえば、この商品という分かりやすいコミュニケーションを意識した」と話す。
日本市場はメンズカテゴリーの売り上げ構成比が、グローバルの平均値を上回る。その強みを最大化するため、地下1階はメンズ商品中心に設計。「これまでの複合店では、男性のお客さまも女性のお客さまも同じ試着室を使っていたが、この店ではメンズフロアに試着室を設けることで、男性のお客さまにもより気軽に商品を試してもらえるようにした」と福林。ブランドアンバサダーを迎えた無料のヨガ教室やランイベントなども定期的に開催し、地元のコミュニティー形成に力を入れる。
日本の成長率はトップ 2026年までに14店舗に拡大
同ブランドは、26年を最終年度とする中期成長戦略の中で北米以外の海外収益を21年度比で4倍に増やすことを目指す。アジア太平洋地域では中国、韓国、日本を中核市場に挙げる。
御堂筋店オープンに合わせ来日したガレス・ポープ(Gareth Pope)=アジア太平洋担当シニアバイスプレジデントは、「17年に日本に参入して以降、ローカルアンバサダーらの協力を得ながら草の根的にコミュニティーを広げてきた。確かな基盤が出来てきた今年、日本におけるビジネス規模を拡大するフェーズに入った。日本は他の地域と比べてコロナ禍からの回復が最も速く、23年から24年にかけてもトップの成長率だ。非常に良い勢いを感じている」と話す。店舗数は26年までに14店舗に増やす計画だという。
一方で中国や韓国などと比較して、ブランドの認知度が低い点は課題だ。ステュワート・テューダー(Stewart Tudor)=ルルレモン・ジャパン社長は、最大の要因に実店舗の少なさを挙げる。「この7年間、コロナ禍でストップがかかったこともあり適切な場所に出店できなかったことが大きい。私たちの武器の1つであるコミュニティーを生み出す拠点として路面店を持つことは、ブランド認知度を上げていく突破口になるはずだ」と期待を寄せる。
◾️ルルレモン 御堂筋
オープン日:10月19日
営業時間:11:00〜20:00
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-7-12