ファッション
特集 懐かしくて新しいレトロの形 第3回 / 全8回

スナップ歴44年「アクロス」に聞く 「編集が当たり前な世代」の レトロスタイル

有料会員限定記事

スナップ歴44年「アクロス」に聞く 「編集が当たり前な世代」の レトロスタイル

1977年に設立したパルコのファッションとカルチャーのシンクタンクが運営するメディア「アクロス(ACROSS)」。80年8月から現在に至るまで、毎月路上で若者のファッションを観察・インタビューする「定点観測」を実施している。そんな長年ストリートを見続けていた「アクロス」編集部に、“ニューレトロ”ファッションの実態と、当時と現在を比較して浮かび上がったハイブリッドなスタイルの特徴を聞く。(この記事は「WWDJAPAN」2024年10月21日号からの抜粋です)

PROFILE: (左)中矢あゆみ/パルコ 「アクロス」編集長 (右)大西智裕/パルコ 「アクロス」編集

(左)中矢あゆみ/パルコ 「アクロス」編集長<br />
(右)大西智裕/パルコ 「アクロス」編集
PROFILE: (左)(なかや・あゆみ)1990年代末から「定点観測」に参加。2023年から現職。ファッションやライフスタイル、ウエルネス&ビューティ分野の定性調査を中心に外部企業との共同調査研究も行う (右)(おおにし・ともひろ)2014年から「定点観測」に参加。現在は古着屋や東京コレクションなどファッションに関する取材・記事執筆を手掛けるほか、他企業との商品開発などのプロジェクトにも参画する PHOTO : SHUHEI SHINE

Y2Kや平成レトロなスタイルは「間違いなく盛り上がっている」と語る中矢あゆみ編集長。特徴はコンパクトなトップスや太いパンツ、ボリュームのあるシューズ、華美な装飾など。それらのスタイルはNewJeansらK-POPアイドルグループの影響が色濃いが、彼らのプロデューサー陣は日本の1990〜2000年代のカルチャーからも影響を受けて新たな潮流を仕掛けている。

日本と韓国の交差する眼差し

日本と韓国の交差する眼差し

クロップド丈のトップスやヘソ出しルックなどストリートを席巻しているコーディネート①の源泉には韓国アイドルの姿があり、そのスタイルのレファレンスには過去の日本②があるなど、日本と韓国は相互に影響を受け合っている。この関係性は他国でも言える。「アクロス」編集部がスナップした女性③がフォローしているというニューヨークのショップ「クライマックス(CLIMAX)」では雑誌「スタジオ・ボイス(STUDIO VOICE)」やヒロミックス(HIROMIX)の写真集を投稿④。編集部の大西智裕さんは「日本の古雑誌を買い求めに神保町は外国人で溢れている」と話し、古書店「マグニフ(MAGNIF)」で古い「ポパイ(POPEYE)」「リラックス(RELAX)」「フルーツ(FRUiTS)」「キューティ(CUTiE)」を買う客も多いという。外国とカルチャーを輸入し合う現状で、渦のようにスタイルがかき混ぜられている。

この続きを読むには…
残り928⽂字, 画像2枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。