先日、終電を逃し、シェアサイクル「LUUP」の電動自転車に乗った。スマホ一つで簡単にレンタルできるこの電動自転車はなかなかの乗り心地で、運営会社がやや前のめり気味に掲げる「誰もがいつでも・どこにいても自由に移動できる画期的な次世代インフラ」を確かに感じさせた。だがハンドルにさしたスマホのGoogleマップが導き出す最短ルートは、細く曲がりくねっていて少し不安になる。人通りのほとんどない深夜の道だからなおさらだ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年11月18日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
アルバイト出身の「販売員」が
導き出した「販売員DX」
DXも似たようなものなのかもしれない。未知のルートを手探りで進むのは誰しも不安になるはずだ。今回も含め、この数年、DXをテーマに特集を組み、新興のテック企業の経営者や老舗アパレル企業の担当者、コンサルタント、大手IT企業のトップなどを取材して分かったことがある。DXにはどの企業にも適用できるような処方箋や正解がなく、それぞれが手探りで正解を導き出すしかないのだ。
それでも進むために、少なくとも納得できるゴール地点を設定するしかない。小売業DXの第一人者で日本オムニチャネル協会の鈴木康弘会長は、「既存のやり方を変えるわけだから、当然現場は不安にもなるし、摩擦も出る。DXを進める上で重要なのは、経営者の明確なリーダーシップと明確な戦略。経営者を反対する人も含めて巻き込みながら、率先垂範しなければならない」と指摘する。
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