アメリカの学生ルックに起源を持つ“プレッピー”スタイルが盛り上がっています。従来のプレッピーはきちんと感を保ちながら、少し着崩すところが持ち味でしたが、今シーズンはさらに踏み込み、“お約束を裏切る”ミックスコーディネートが台頭。一見、プレッピーを崩したとは分からないほどのアレンジが広がってきました。今回は、盛り上がる“ネオ・プレッピー”のコーディネート術を欧米ブランドのランウエイからピックアップしてみました。
「ラバンヌ(RABANNE)」は、シャツにチェック柄のジャケットを重ねたオーソドックスなプレッピースタイルに、ファーアウターをオン。さらに、チェック柄のミニスカートからはビジュー付きタイツをのぞかせて、ビジュー付きバッグも合わせて華やさを添えました。
ビンテージ感と愛らしさを兼ね備えた新顔プレッピーです。
ミニスカのコケット感と
ロングコートの凜々しさを融合
進化形プレッピーは、オーソドックスな基本形をもう一段着崩すのがポイント。もともとアイビースタイルを崩したのがプレッピーですが、さらに“コケット”や“フェティッシュ”といった別のテイストとミックスするアレンジが鮮度を高めています。
りりしいロング丈のチェスターコートで意外性を引き出したのは、「エリザベッタ フランキ(ELISABETTA FRANCHI)」。プレッピーの定番アイテムであるストライプシャツに、チェック柄のミニスカートを合わせて、キュートな印象に仕上げました。スエットシャツにはブランドロゴをあしらい、黒ストッキングでなまめかしさも添えています。
ボトムスで意外性を投入
定番×グラマラスのずらしコーデ
新顔プレッピーの崩しどころはボトムスにあります。シャツやブレザー、スタジアムジャンパーなどの定番アイテムを軸に、サプライズなボトムスでお決まりのパターンをアレンジ。思い切ってひねりを加えるのがコツです。
「アンダーカバー(UNDERCOVER)」は、定番プレッピーの白シャツにスエットを重ね着しました。大学生のような眼鏡とバッグに対し、ミニスカートはキラキラ&ふさふさのシャギー仕立て。裾もアシンメトリーで動きを加え、タイツでレッグラインをすっきり見せて、ボリュームの落差を際立たせました。
アレンジの幅を広げるシャツ1点投入
控えめプレッピーでカジュアルリッチ
アイテム数を減らしてプレッピー濃度を下げると、アレンジの幅が広がります。カレッジのイメージが薄まる分、シーンを選ばず着用できます。おすすめはシャツの1点投入です。
「アナ スイ(ANNA SUI)」は、チェック柄のシャツにプレッピー感を託しました。丸襟とブローチ、垂らしたリボンがフェミニンなムード。ツイード生地のミニスカートには、ガーリーさとトラッド風味が同居しています。ロングブーツ風のレッグウォーマーも、同じ素材で統一。同色のハンチングが視線を引き上げる効果を発揮しています。
複数テイストを合わせて
“崩しプレッピー”
良家の子女のような雰囲気がプレッピーの持ち味ですが、ダークなミステリアス、快活なスポーティーなど、別のムードを加えるとこなれた具合に整います。複数のテイストを組み合わせてミックスコーディネートすれば、プレッピーさが薄まり、趣が深まります。
プレッピーの代名詞スタジャンをまといながらも、プレッピーさを抑えた「GCDS」は、ミックスコーデのお手本です。赤いネクタイのおかげで、タイドアップもかしこまって見えません。異素材使いのカーゴパンツは、色柄も多彩。型にはまらない“崩しプレッピー”スタイルの完成です。
ポジティブカラーでフレッシュに
レトロかわいくひとひねり
アイビー譲りの落ち着いた配色を避け、明るい色を取り入れると、プレッピーさも様変わりします。チェック柄のような鉄板モチーフも、カラー次第で別の印象に。きちんと感を保ちながら、装いを弾ませるポジティブな色使いなら、はつらつとした印象をもたらしてくれます。
「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」は、チェック柄のセットアップを披露しました。一見すると王道アイテムですが、グリーン、ブルー、イエローのカラーが響き合い、楽観的なムード。ビッグモチーフのプリントTシャツが、程よい抜け感を与えています。毛足の長い素材が穏やかなたたずまいを醸し出し、どこかレトロなスタイルに仕上がっています。
鉄板スタイルを持つプレッピーだからこそ、少しのひねりで印象もガラリとスイッチ。キュートにもミステリアスにもアレンジ可能なので、着こなしのレパートリーを格段に広げられます。ずらしたり、薄めたり、プレッピーさをあえて遠ざけるスタイリングで、ミックスコーディネートの扉を開いてみてください。