アパレルは、彼らをなくして語れないー。そう言い切れるほど、企画・生産において重要な働きをするのがOEM(相手先ブランドの生産)とODM(相手先ブランドの企画・生産)の事業者たちである。商社が巨大プレーヤーとして君臨する領域だが、中小の専門企業も独自の存在価値を発揮し、生き残っている。本特集ではそんなOEM・ODMのスペシャリストたちに焦点を当て、彼らの仕事ぶりやビジネスパートナーから信頼を受ける理由、そして近年の進化について掘り下げる。(この記事は「WWDJAPAN」2024年12月2日号からの抜粋です)
OEM・ODM会社は、アパレルメーカーと工場をつなぐ中間業社として、さまざまな役割を果たしている。ただその仕事の内容に関しては、特に学生たちにはイメージがつきにくいだろうし、実際にアパレル業界で働いていたとしても、完全に理解できている人は少ないだろう。
OEM・ODMを専業とするサントラージュの小林正幸社長は、「僕たちの仕事は、アパレルと工場の“翻訳者”」と表現する。服のアイデアを、工場技術者が理解できる仕様書に落とし込むための専門知識。技術力のある工場を探すネットワーク。商品を量産販売して、予算にはめ込む調整能力。デザイナーと工場の間のコミュニケーションには必要なスキルやノウハウがいくつもあるのだが、それらを有し、橋渡しできるのがOEM・ODM会社なのだ。そうしてでき上がった商品の小売価格の数%が、OEM・ODM会社のマージンになる。アパレルのサプライチェーンに不可欠な存在でありながら、非常に泥臭い商売だ。
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