ゲオホールディングス傘下のリユースショップ「セカンドストリート(2nd STREET)」は、2015年に米国現地法人を立ち上げ、18年にロサンゼルス・メルローズに1号店をオープンした。その後、台湾、マレーシア、タイに進出。24年10月に台湾にオープンした店で海外100店をマークした。国内840店を展開し、中古品販売では国内最大手だが、海外にも攻勢をかける。42店(10月25日時点)を抱える米国での事業の採算性や計画、治安対策などについて、海外事業を統括する久保幸司取締役専務執行役員に聞いた。
PROFILE: 久保幸司/ゲオホールディングス取締役専務執行役員
WWD:海外進出先として米国ロサンゼルスに1号店を開いた経緯は?
久保幸司取締役専務執行役員(以下、久保):2014年に菊地雅浩(現セカンドストリートUSA CEO)が、米国の古着店を視察して、商機を見出した。「バッファローエクスチェンジ」などの店頭に並ぶ商品は5〜30ドル程度の価格帯であまり幅が広くなかったこと、買い取り基準が厳しく、店頭に持ち込んでも返却される商品が多いという実態が分かり、我々が日本で展開している「セカンドストリート」をそのままを持っていけば通用するのではないかという提案があった。
WWD:米国にも商機があるのではないかと。
久保:ただ、当時はちょうど「セカンドストリート」が国内でトップを狙える勢いに乗っていたタイミング。業界トップになるのは悲願で、私はその責任者だった。まずは国内を万全に固めてから、次の一手として海外に進出する方がいいのではないかと反対したが、GOが出た。
「最初から手応えがあった」
WWD:国内でアクセルを踏んでいるタイミングで、人も商品も海外に割かなくてはならなくなる。
久保:そう(苦笑)。しかし、オープンしてみたら、最初から手応えを感じた。まず、中古品を商売として扱うライセンスの取得に時間がかかり、物件を確保してからオープンまでに1年以上かかってしまったが、その結果、店自体が広告になり、「いつ開くんだ?」と地域の人たちに認知されていた。そして「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」や「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」などの世界中の皆様から愛される日本ブランドを多くそろえたことが強みとなった。日本での売り値の3倍や5倍をつけても売れるので、関税や輸送費を差し引いても十分利益を確保できる。また、当時はラグジュアリーの中古品を扱うリアル店舗での競合があまりなかった点も良かった。日本ではほぼやっていないが、オープン前日にインフルエンサーを招待してレセプション的なイベントを行うといった販促もした。インスタのフォロワー数は日本(約7万)よりも米国(約24.5万)の方が圧倒的に多い。
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