日本発の登山アウトドアブランド「アクシーズクイン(AXESQUIN)」やフィッシングブランドなどを運営する双進(東京・佐々木識統社長)は2025年秋冬、「アクシーズクイン(AXESQUIN)」の品ぞろえを拡大する。同社は02年以降、英のアウトドアブランド「マウンテンイクイップメント(MOUNTAIN EQUIPMENT)」とライセンス契約し、国内で販売してきたが、24年12月で契約終了。自社オリジナルの「アクシーズクイン」の強化をこの2年ほど進めている。
オリジナルブランドを強化することで、原料高、円安といった状況の中でもクオリティーの高い商品を適正な価格で提供する。「マウンテンイクイップメント」の日本企画商品で支持されてきたモデルに近い商品も「アクシーズクイン」でラインアップし、同じスペックの商品を求めるアウトドア専門店や客の声に対応する。氷点下にも対応できる保温力と登山に最適なコンパクト性を両立した、700フィルパワーのダウン上下(ジャケット4万6200円、パンツ3万800円)などがそれだ。
「アクシーズクイン」がもともと得意とする、アクティブインサレーション(運動時の熱や蒸れを放出する行動保温着)ももちろん豊富にそろえる。“5倍速く乾く”と速乾性を打ち出すメリノウール混のフーディー(2万2000円)や、汗抜けを意識し、パンチングしたウール混の中綿を使用したブルゾン(3万9600円)、裏地に「オクタ」を使用したブルゾン(3万3000円)など。全体的に落ち着いた色合いやデザインを採用し、街着としても違和感なくなじむようにしている点もポイント。
1945年創業、
祖業はゴム製品の加工・販売
「アクシーズクイン・エレメンツ(AXESQUIN ELEMENTS)」では、テクニカルな素材を使いつつ、より日常着に近い感覚の提案を行っている。昔から行商などに利用されてきた山間の生活道“クラシックルート”の山歩きをイメージしており、プルオーバー仕様のフード付きレインコート(3万5200円)や、ビンテージ加工を施したナイロン地のオーバーオール(3万800円)などを企画。保温着や雨避けとして山歩きで活躍する男性も履けるスカート(中綿入りモデルで2万8600円)は、シーズンを超えた人気商品となっている。
卸先は、「アクシーズクイン」が石井スポーツなどの登山系アウトドア専門店が中心で、「アクシーズクイン・エレメンツ」はワイルドワンなどのアウトドアライフスタイル店が主。1945年創業の双進は、祖業がゴム製品の販売。そこから長靴をはじめとしたフィッシング分野に進出し、88年からオリジナルの登山用ウエア「アクシーズクイン」を販売している。12月で契約終了した「マウンテンイクイップメント」についても、修理は引き続き受け付けている。また、スイス発の「エクスペド(EXPED)」の日本向け代理店も2011年から務めている。