東京・両国でカットソーODMを手掛ける精巧(近江誠社長)は、3Dデータを軸にしたアパレルのDX生産をスタートする。3Dデータ作成からグラフィックマーキング、インクジェットプリントまでの生産プロセスの特許をこのほど取得し、最新鋭のインクジェットプリント機も導入する。日本製のアパレル生産が1.5%にまで落ち込む中で、東京・下町の工場が革新的なアパレルDXで「メード・イン・ジャパン」の復活に挑む。(この記事は「WWDJAPAN」2025年1月13日号からの抜粋です)
精巧
1950年設立。千葉県・東金市にトヨタ生産システムを導入した縫製工場「クチーレ」(写真)があり、生産能力は日産250〜300着。3DアパレルCADのCLOや自動裁断機など最新のデジタル機器も導入済み
精巧のODMフロー
精巧は社内に3DCADのソフトから人材までをそろえ、縫製までの一貫対応が可能
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DXプロセスの強力特許を取得、プリントカットソー生産に革新
1950年創業の精巧は東京・両国に本社を、千葉県・東金市とベトナムに自社の縫製工場を持つ。トヨタ生産方式の導入や仕様書のAI導入など、小規模ながらアパレルDXの取り組みで知られた企業だ。このほど、①3Dグラフィックシミュレーションから、②その3Dデータを使った2DのグラフィックCADパターン、③グラフィックマーキング、④それらのデータを使ったインクジェットパターンプリントまで―プロセス全般にかかる「DS-CYCLE(ディーエス・サイクル)」の特許を取得した。国際特許も出願中で、3Dのグラフィックシミュレーションはアパレルに限定せず、シューズやバッグなども含まれるという。精巧は3DCADではCLO、2DCADでは東レ「クレアコンポ」などを使いつつ、グラフィックマーキングはアパレルCAD以外のソフトウエアを使い、独自のプロセスで実現した。
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