「カルティエ(CARTIER)」は3月6日、フランス大使公邸で2025年大阪・関西万博(以下、大阪・関西万博)のウーマンズパビリオンの概要発表を行った。同パビリオンは、「カルティエ」が内閣府や経済産業省、2025年日本国際博覧会協会と共同で出展。20年のドバイ万博に続き、未来に向けた女性の役割にフォーカスしたウーマンズパビリオンになる。大阪・関西万博のテーマ「ともに」に基づき、同パビリオンのテーマは、「ともに生き、ともに輝く未来へ」。展示や講演会などを通してより良い未来を築くための発信を行う。
記者会見で宮地純カルティエ ジャパン プレジデント&CEOは、「女性だけでなく、多くの人に来場してほしい。性別や国籍の垣根を超えて考え、行動に移すきっかけになれば」とコメント。2025年日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長は、「ウーマンズパビリオンは、日本政府館近くの絶好のロケーション。来場者のパビリオンにおける対話と交流を通じて新たなつながりが生まれることを願う」と話した。
世界のトップクリエイターの競演によるパビリオン
約1700平方メートルの敷地内にあるウーマンズパビリオンは建築家の永山祐子が建築を手掛けた。町屋が着想源の2層のパビリオンのファサードには、ドバイ万博で使用した組子のパーツを再利用している。内装と展示は、イギリス人アーティストのエズ・デヴリン(Es Devlin)が担当した。来場者に名前を提供してもらうことで、パビリオンでの体験を“自分ごと”として捉えるきっかけを作り、それぞれの参加者が出会い集団行動へと橋渡しをするような場を提供する。
五感や感情に訴える没入型の体験は、映画監督の河瀬直美による3人の女性のショートフィルムによりスタート。来場者はその中の一つに導かれ、1人の女性のストーリーを体験するようになっている。また、フランス人映画監督兼女優のメラニー・ロラン(Melanie Laurent)やアーティストの千葉尋、マルチアーティストの森万里子などによる作品を展示。景観デザイナーの荻野寿也は、日本の四季の移ろいを持続可能な庭園で表現している。パビリオンのスタッフのユニフォームは「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢が手掛けた。
2階はテーマに合わせて語り合う“WA”スペース
2階は、世界的リーダーや専門家などによる講演会やトークセッションを開催する“WA”スペース”。「大いなる地球」「ビジネスとテクノロジー」「教育と政策」「芸術と文化」「フィランソロピー(社会貢献)」「役割とアイデンティティー」という6つのテーマについて意見が交わされる場になる。万博期間中には150以上ものセッションを予定している。