ワールドの2024年3月〜25年2月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が2256億円(24年2月期が決算期変更による11カ月決算だったため、比較なし。参考値として、24年2月期の11カ月に24年3月実績を加えた12カ月※との比較では1%増)、本業のもうけを示すコア営業利益が170億円(同3%増)、純利益が111億円(同35%増)だった。「非アパレル事業の成長に伴い、アパレル事業のみに依存しない事業構造が進展したが、アパレル事業は不本意な結果で終わった」と、鈴木信輝社長。
※23年3月は商品評価損など期末の決算処理により正常な比較が行えないため、使用不可という
アパレル事業は「ブランドの好不調の差がますます拡大して」おり、一部の不調ブランドが足を引っ張る形で売上収益や粗利が計画未達となった。好不調を分けた端境期対策、残暑対策については、好調ブランドが実践するMDノウハウを、不調ブランドにも共有し、事業全体としてテコ入れを実施。一方、「品ぞろえ、売り方の課題については今まさに不調ブランドにノウハウ共有を行っており、ここからもう一段の改善を進める」。
アパレル事業の不調をデジタル事業、プラットフォーム事業で補う形となったが、デジタル事業では「『ラグタグ(RAGTAG)』『rt』のリユース事業が、インバウンド売り上げも含め想定以上に伸びた。積極出店や改装も進めている」。プラットフォーム事業では、ワールドストアパートナーズによる販売代行や催事などが貢献したという。
中計の最終年度となる26年2月期は、アパレル事業で不調なブランドのテコ入れを進めると共に、収益性の高いプラットフォーム事業、デジタル事業や、傘下の投資会社を通じてTOB(株式公開買付)を実施したライトオンのような再生投資事業を加速していく。プラットフォーム事業では25年2月には、アパレルOEM会社の三菱商事ファッション(現社名はエムシーファッション)をグループに収め、3月1日付でTSIから傘下の2つの縫製工場も取得した。これらにより、企画・生産背景を強化。エムシーファッションが有するBtoB事業運営の知見も生かしていく。
26年2月期の売上収益は、前期比32.9%増の3000億円、コア営業利益は同17.6%増の200億円、純利益は同0.9%増の112億円を見込む。