アメリカンアパレルはバングラデシュ出身の同社マーチャンダイザー(MD)、マックスをモデルに起用したキャンペーンヴィジュアルを発表した。これは、バングラデシュの劣悪な労働環境や製造業に携わる小売業者の責任問題を訴える内容を含んでおり、米版「エル(ELLE)」や英版「ハフィントン・ポスト(THE HUFFINGTON POST)」、「デイリー・メール(THE DAILY MAIL)」などの国際的なビジネス紙やファッション媒体に取り上げられ、話題を集めている。
トップレス姿に「メイド・イン・バングラデシュ」のロゴが入った同ヴィジュアルは、「従業員に対する公正な賃金、安全な労働環境、そして衣料の提供、このすべてを行う企業としての誇りがこのスローガンに込められている」という。なお、マックスが着用したハイウエストジーンズは、米・ロサンゼルスのアメリカンアパレルの工場で、正当な賃金が約束され、福利厚生が整った環境で働いている23人のアメリカ人によって作られた。
2010年から同社のMDとして働くマックスは、バングラデシュの首都、ダッカ出身。幼い頃に厳格なイスラム教徒の両親とともにモスク(礼拝堂)に通い、4歳の頃にカリフォルニアに移住し、その後も従順にイスラム教を信仰していた。高校入学後から徐々にイスラムの伝統から距離をおき始めた彼女は、自らをバングラデシュ人かアメリカ人かといった枠に当てはめようとはせず、自分だけのアイデンティティを大切にしている。自分のクリエイティビティを思う存分表現する場所を探していたため、この撮影を快く引き受けたそうだ。
同広告は、日本で、5月12日発売のスナップ誌「ストリート」(ストリート編集室)に掲載される予定だ。