2月6日から6月5日まで、パリのカルティエ現代美術財団で森山大道の写真展「DAIDO TOKYO」が開催される。この「DAIDO TOKYO」展では多数のカラー写真を展示し、過去20年間の森山の写真家活動の中であまり知られてはいないものの、各所に遍在する面に光を当てる。カルティエ財団は、今回の写真展のために森山に新しい作品を依頼し、「犬と網タイツ」と名づけられたモノクロ写真の没入型多面ディスプレーは、来場者を現代都市の喧騒へ引きこむとともに、容赦ない都会の激しさと忙しさから日常?活の断?を取り出して?せてくれる。
森山大道は、大阪でグラフィックデザインを学んだ後、写真の道に進むことを決意し、1961年に上京。そこで、前衛的な写真家集団VIVOに所属する写真家たち、とくに東松照明と細江英公の作品に引きつけられる。そして、東松からは日本の下層社会の風変りな暮らしに対する強い関心を、細江からは劇的で官能的なセンスを受け継いだ。1970年代、森山はカラー写真を試し始め、2000年代の初めには、主にフルカラーで撮った写真をモノクロに変換するようになる。08年から15年にかけて、何千枚ものデジタル写真を撮影し、一部はあえてカラーのままになっている。その多くが、今回のカルティエ財団の写真展で展示される。