「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE )」は8月30日、新木場の「アゲハ(ageHa)」でクラブイベント「キツネクラブナイト(Kitsune Club Night)」を開催した。ファッションブランドの他に音楽レーベルやアート集団としての顔も持つ同ブランドは定期的にクラブイベントを催しており、「アゲハ」での開催は3回目。「メゾン キツネ」ディレクターのジルダス(GILDAS)を始め、ドイツ出身エレクトロデュオのデジタリズム(DIGITALISM)やフランスでいま話題を集めるアーティスト、ファキアー(FAKEAR)ら全17組が出演した。エントランスではキツネのマスクと缶バッジが配られ、ライブ中のVJにもキツネをフィーチャーした映像が多分に盛り込まれるなど、来場者はキツネに彩られたパーティーを楽しんだ。
来場者のファッションも、「メゾン キツネ」に通じるクラシックでシンプルなスタイルが多い。男性であれば一番上までボタンをとめたシャツに短めのハーフパンツかスキニーをあわせて作るコンパクトなシルエットが王道だ。もしくはジャケットスタイルでパリジャン風にキメる。"KITSUNE"の文字プリントを配したカットソーの着用者もちらほら見受けられる。女性はシンプルなノースリーブトップスにミッドカーフ丈のスカートかハイウエストのパンツのスタイルが目立つ。ワンピース着用者も腰の切り替えしやベルトマークの位置が高い。上下のはっきりしたカラーブロッキングも含め、シルエットでトレンド感を出す着こなしが定着していた。
アーティストのライブでは、埠頭からの風が吹き抜けるプールフロントに登場した初来日公演のファキアー(FAKEAR)が幻想的なアクトを見せた。ゆったりとしたビートを軸にアタック音を殺した浮遊感ある音色でトラックを彩っていく彼のスタイルは、優しくオーディエンスを踊らせた。パッドさばきも軽快で、プレイスタイルでも見せる。メインステージのハイライトは、ジルダスからデジタリズムへの流れ。ダフト・パンクの元マネジャーとしても知られるジルダスは、今年のグラミー賞受賞曲「ゲット・ラッキー」のハイスピードリミックスを投下してフロアのボルテージを上げ、ノンストップでデジタリズムへとバトンタッチ。ジルダスもそのままステージに残り始まったポップ色の濃い最新曲「ウルブス」は、この日最高潮の盛り上がりを生んだ。