ファッション

UAが基本商品政策「先駆性・時代性・独自性」のバランスを見直し スタイリング提案を強化

 ユナイテッドアローズ(以下、UA)が、「ココロを動かすモノ作り:基本商品政策の励行による企画MD力向上」に取り組んでいる。これは、今期(2017年3月期)の経営方針として掲げる「お客さま大満足から大感動へ!」の達成に向けて、「驚くほど便利で使いやすいEC:UAにしか出来ないECサービスの提供」「感動レベルの接客体験:創造的商人を輩出する風土づくり」とともに、3つの"重点取り組み施策"の筆頭に掲げているもの。

 同社の基本商品政策とは、「お客さまの半歩先を提案し、次代にトレンドとなる可能性を問う『先駆性商品』「そのシーズンのトレンドを反映した『時代性商品』」「トレンドに左右されず、安定的に売れ続ける『独自性商品』」の3つの商品群を適正に配分することだ。各業態ごとにそのバランスなどは変わるが、「その商品がどこに位置付けられるのかが不明確なったり、ズレていることがあった」と竹田光広・社長。

 そこで、基本商品政策を見直し、コンセプトを「リアルクロージング ウィズ クリエイティブ スタイリング」と定め、スタイリング提案力の要素を加えて改定しているところだ。最適な商品構成比率を再設定するとともに、企画、SNS、雑誌媒体、店頭、VMDを一気通貫で連動させてスタイリング提案を強化する考えだ。同時に社内勉強会などを通じて、先駆性商品、時代性商品、独自性商品の考え方や区分などをスタッフに定着させ、UAの強みを継承し、安定的な売り上げ確保や企画MD力の向上につなげたい考え。

 また、「ブランドポートフォリオの再整備にも着手した」。各ブランドのコンセプトに基づき、タテ軸に価格帯、横軸にテイストとしてブランドポートフォリオを再配置。ズレが生じた場所などを確認・修正しつつ、忠実なターゲット設定をすることによって、各ブランドのMD最適化につなげる。

 なお、2016年4〜6月期は売上高は329億円(前年同期比102.7%)、本業のもうけを示す営業利益は21億円(同75.3%)、純利益は13億円(同75.0%)だった。

 「驚くほど便利で使いやすいEC:UAにしか出来ないECサービスの提供」の一環として、売れ筋商品を中心にネット通販店舗への在庫供給を増やして販売機会ロスを軽減させたことで、単体のネット通販売上高は42億円(同126.4%)と躍進した。

 増収だったものの、将来の成長投資のために行った「H ビューティ&ユース」の青山路面店の出店にまつわる販促費の増加や人件費の増加、ネット通販の売り上げ増による賃借料の増加などが要因で減益となった。

松下久美

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