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ケイト・スペード、株主が身売りを提案 株価一時上昇

 ケイト・スペード&カンパニー(KATE SPADE & COMPANY 以下、ケイト・スペード)は11月14日、同社に2009年から投資している株主の投資会社カイロス インベスターズ(CAERUS INVESTORS 以下、カイロス)から身売りを提案された。これに伴い、ケイト・スペードの株価は前日比7.8%上昇し、17.93ドル(約1918円51銭)で取引を終えた。

 カイロスはケイト・スペードのナンシー・カーチ(Nancy Karch)会長宛に手紙を送り、「ここ最近業績が優れず、競合ブランドに先を越されている」と懸念を表した。「われわれは2年半も下落し続ける株価に危機感を覚えている。現在、株価は14年8月11日に記録した最高値より63%も落ちている。ライフスタイル・アクセサリー市場における優秀な企業にとって、ケイト・スペードは良い買収候補になるだろう」と続けた。

 同社は06年にリズ・クレイボーン(LIZ CLAIBORNE)社が買収。12年にリズ・クレイボーンが社名をフィフス・アンド・パシフィック(FIFTH AND PACIFIC)に変更し、「ジューシー クチュール(JUICY COUTURE)」と「ラッキー ブランド ジーンズ(LUCKY BRAND JEANS)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」事業に集中。翌年「ジューシー クチュール」と「ラッキー ブランド ジーンズ」を売却し、社名をケイト・スペード&カンパニーに変更した。現在株価は、「ケイト・スペード」のみ残すことを発表した13年当時と同じ水準に下がっている。「ブランドの時価総額は30億ドル(約3210億円)以上減った」とカイロス。

 この提案により、買い手候補としてコーチ(COACH)が浮上した。ヴィクター・ルイス(Victor Luis)=コーチ最高経営責任者は以前、M&Aを検討していると語っていたためだ。コーチの株価は14日、前日比2.7%増の37.99ドル(約4064円93銭)で取引を終えた。

 ケイト・スペードのスポークスマンは「株主の意見を歓迎し、感謝する。今後も株主とのオープンな会話を続けるつもり」とコメントした。なお、カイロスは所有する株主の割合を公表していない。

訳・北坂映梨

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