アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)の2016年8〜10月期決算は、売上高が前年同期比6.5%減の8億2100万ドル(約903億円)、営業利益が同52.1%減の1964万ドル(約21億円)、純利益が同80.5%減の827万ドル(約9億970万円)と減収減益だった。
同社はティーンズ市場が苦戦する中、「アバクロンビー&フィッチ」のリブランディングに着手。かつてのコア顧客のティーンズ世代から、20代に向けたブランドへの刷新を図っている。デザインもロゴを多用していたものから、ファッション性を追求し、より大人な路線に変更。広告も白人中心のセクシーなものから、さまざまな人種のモデルを起用するなどの改革に取り組んでいる。一方、妹ブランドの「ホリスター(HOLLISTER)」は、ティーンズ向けのブランドとして継続。しかし、約1年半かけて行っているこれらのリブランディングはまだ効果を出していないようだ。
フラン・ホロヴィッツ(Fran Horowitz)最高経営責任者はリブランディングの他、アメリカ国内の旗艦店や観光スポットにおける店舗、海外店舗の来客数の減少を指摘。また、売れていないアイテムを店頭から早めに引き下げるなど、マーチャンダイジングにおいての対策を打ったものの、秋に重衣料を出しすぎたという。しかし、一部のアナリストは、時間はかかるものの、長期的にはリブランディングの効果が出てくるようになると期待を寄せる。一方で、「ホリスター」はアウターが特に順調に動き、既存店の売り上げは横ばいで納めた。
同社は来年には「アバクロンビー&フィッチ」の新コンセプトストアをオープンするという。