サザビーリーグは来春、同社が日本での独占販売権を持つNY発のニットブランド「デミリー(DEMYLEE)」の世界初の直営店を玉川高島屋S・Cに開く。「デミリー」およびメンズの「ラッド バイ デミリー」のコレクションに加え、インポートの雑貨やランジェリーもそろえたショップになる。ブランド10周年の節目になる年に、直営店出店という新たなステップに挑むデミー・リー=デザイナーに話を聞いた。
WWDジャパン(以下、WWD):10年前にブランドを始動した経緯とこれまでのあゆみは?
デミー・リー「デミリー」デザイナー(以下、デミー):「カルバン クライン」や「トリー バーチ」で経験を積んだのち、出産したタイミングで何か変化が必要だと考えたのがきっかけ。コンセプトはもともと大好きなカシミヤを使って、クラシックでありながらも他にないモダンでおもしろいものを作るということ。現在は売り上げの約半数を占める日本に加えて、アメリカ、フランス、台湾などに卸先があり、最近は北欧の取引先も増えているわ。
WWD:世界初の出店地に二子玉川を選んだ理由は?また、どのようなショップになるか?
デミー:以前ロンハーマン二子玉川店でポップアップストアを開いたときの印象がとてもよかったの。二子玉川の人たちはおしゃれだけれど華美ではないし、自分の着ているものを人に見せびらかしたりしない。また「デミリー」のウエアは幅広い年齢層の方に着てもらえるよう作っていて、私自身母から娘まで3世代で着ている。そういった意味でもこのエリアがぴったりだと思ったの。これまでは卸専門だったけれど、ショップを持つことでフルコレクションを見てもらえるし、ブランドの世界観を伝えられることがすごくうれしい。ショップはNYの古いアパートメントをイメージして、レンガの壁を作ったりカウチを置いたりするの。友人の部屋に招かれたような気持ちでリラックスして過ごしてほしい。
WWD:日本国内に多くの卸先を持つが、日本のセレクトショップについて思うことは?
デミー:日本のセレクトショップは、ブランド数も品数も多いけれどきちんと編集されていて、商品が持つストーリーを伝えたいという思いが伝わってくる。「デミリー」の商品も、海外では「ただ置いてあるだけ」というショップもあるけれど、日本のショップはさまざまなブランドと合わせてすてきに陳列されているから、わたしが買いたくなってしまうくらい(笑)。今回の来日では「H ビューティ&ユース」に行ったの。アメリカ古着がたくさん置いてあって、1990年代を思い出したわ!
WWD:来年10周年を迎える「デミリー」のネクスト・ステップは?
デミー:まずは店舗のオープン。楽しみで、やりがいがあって、大変なことだととらえているわ。「デミリー」を知らなかった人にも見てもらえるきっかけになるから、よいセレクションの店を作りたい。また商品面ではブランドの核であるニットに加えて、シャツやデニム類も作り始めている。今後はトータルコレクションでブランドの魅力を伝えていきたい。